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2019年!ドラフト最強名鑑

2019年!ドラフト最強名鑑

2019年!ドラフト最強名鑑


57人中 57人表示

もり けいと 遊撃手
森 敬斗
175cm 72kg/右投左打
桐蔭学園高
50mタイム 5.8秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
16年ぶりに母校をセンバツへ牽引した昨秋の3ラン、サヨナラ満塁弾はお見事!のひと言。今春以降は、守備力が劇的に上達。快足・強打・好守の遊撃手として昨年の根尾昂(現中日)のレベルに接近。送球方向へ体の流れ作りながら、ボールと衝突せずにしっかりと捕球点を作って打球をさばく動きは、安心して見ていられる。「U18」では、中堅手としても、前で守れて後方の打球の背走にも強い。本職顔負けのディフェンス能力を発揮してみせた。
春までは「プロ一直線!」の勢いだったが、ここに来て、東京六大学方面への進学説が浮上してきた。プロ志望ならドラフト2位、展開次第では、繰り上げ1位もあったはずだが…。<迷い>があるのは、プロは時期尚早と「野球の神様」がささやいているせいだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

しおざき えいた 外野手
塩崎 栄多
182cm 78kg/右投左打
浜松工業高
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
おばあちゃんが日本舞踊のお師匠さんで、本人も小学校卒業まで習っていたという。だからなんだ…身のこなし、特に「すそさばき」の鮮やかさはそのせいなのだろう。投げる直前に、パパッと細かなステップがきれて、スイング、ベースランニングのボディーバランスがすごくいい。しなやかにバットが振れて、スローイングもしなやかに腕が振れて、走る姿も「美しい」という表現でちょうどよい。高校通算30弾前後の実績も、本質はライナー性の打球で二塁打、三塁打量産の中距離ヒッターだ。
この夏は、相手チームからの警戒と打てねば!の気負いがミックスさせて空回り傾向だったが、こんなものじゃない。走攻守、三拍子そろった総合力は高い。但し、左打ちの外野手はプロでも飽和状態。プロ入り即レギュラーのレベルまで、大学で腕を磨こう。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

いのうえ こうだい 外野手
井上 広大
187cm 95kg/右投右打
履正社高
50mタイム 6.3秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
この春のセンバツ。初回、最初の守備機会で、犠牲フライで3進を狙った走者を、ライトからのダイレクト送球で刺したプレーには驚いた。守備の実戦力は超高校級。地肩も強いが、投げるフォームが抜群。シートノックで見せておけば、走者の進塁意欲を消去できるレベルの<鉄砲肩>だ。春は、投手に背番号が見えるほど右肩が中に入り、反動であっさり開いていたバッティングが、夏にかけて改善された。本塁打を量産し、今夏の甲子園でも「初V」の牽引者のひとりになった。
それでもまだ、スイングは<外回り>の軌道を描く。センターから右中間方向に長打を!の意識で、インサイドアウトのスイングをこの秋のうちに獲得したい。絶好のお手本は、東邦高・石川昂弥。木製バットで暴れるためには、それは「必修科目」だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

かわの りょうた 遊撃手
川野 涼多
178cm 70kg/右投両打
九州学院高
50mタイム 5.9秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
忘れられない場面がある。彼が2年生になったばかりの県大会、1つ前の試合(次に当たる相手の試合)をチームメイトと一緒にジッと見ていた彼が、9回になって他の選手が立ち上り、ベンチ裏に移動しても、ただ1人そのまま残って、ジッと試合を見つめ続ける。試合終了まで見届け、納得したように「うん、よっし!」…小さくつぶやいて、ベンチに向かった。左打席なら豪快スイングの長打力、右打席なら誘い球を見向きもしない選球眼と右中間長打の怖さを併せ持つスイッチヒッターだ。
スイング即スタートのダッシュ力と、二塁ベースカバーから三遊間の打球処理へとっさに切り換えられる守備力も出色。試合開始直後のファーストプレーの打球処理から、ベストプレーこなしてしまう超高度な野球センスは、間違いなくプロの資質だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

おかばやし ゆうき 投手
岡林 勇希
177cm 76kg/右投右打
菰野高
球速帯 142~150キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ
コントロール率 58%
サイズは平均的でも、搭載するエンジンがデカイ。150キロ近い快速球を投じながら、平気で左中間最深部に放り込める心身のパワーは圧巻だ。ヒジと肩甲骨の可動域が広いのは、ピッチングだけにいいわけじゃない。バットヘッドを長く走らせて、フォローの大きなスイングで飛距離を出せるのは、肩がよく動くせいだ。この体から、どうしてこんなに勢いのあるボールが…そんな快速球の源もこの「身体能力」が影響している。あとは「出し加減」だ。力任せにならないように。<大人>になろう。
2年上のお兄さん(飛翔)が、広島カープで苦労しているのを目の当たりにしているはずだ。だから、オレはその上を行くんだ!そんな心意気が燃えているなら行くべきだ。野球も上手だが、他の球技も並み以上にこなすだろう。運動神経はモノが違う。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

くればやし こうたろう 遊撃手
紅林 弘太郎
186cm 85kg/右投右打
駿河総合高
50mタイム 6.3秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
このサイズで彼ほど華麗で高精度な守備力の高校生はここ30年いない。フィールディングの上手さでいったら、高校時の坂本勇人(光星学院→巨人)と互角か、それ以上と見る。特に、地を這うようなゴロ打球に対して、股関節、ヒザ、足首が非常に柔軟に反応し、低い姿勢を保ったまま捕球→送球ができる才能が得がたい。普通、これぐらいのサイズの内野手だと、「三塁手」のほうが無理がないことが多いが、この選手には安心して遊撃手を任せてよいだろう。<華>のある大型内野手だ。
無名の遊撃手がポンと放り込まれた今春の「U18候補合宿」で、なんら物怖じせずに奥川恭伸の速球をあっさり左前に快打。あとは目に見える覇気を。しゃにむに、なりふり構わずバットを振り、走り、ボールを追う。高校生らしい<熱>が見たい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

こんどう たいき 遊撃手
近藤 大樹
168cm 68kg/右投右打
西日本短大付
50mタイム 5.9秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
フィニッシュに関しては、こんなに上手い高校生遊撃手、過去に見たことがない。イレギュラーしたゴロを、まるで予期していたように難なくさばき、動揺もなく決してブレないスローイング。派手なスーパープレーはなくても、まずエラーしない。カットプレーも含め高精度のフィールディング、名人芸の守備ワークは「高校№1遊撃手」に推したい。チームを優勝に導いた今春の九州大会、高校№1左腕・宮城大弥から左中間最深部に長打を2本。打撃の小力が加わり、総合力でも全国級の存在に。
小柄を<マイナスポイント>にするスカウトもいるが、むしろその逆。小柄で動きがよくてパンチ力があれば、こんなに手の焼ける相手もいない。広島・菊地涼介の例を挙げるまでもない。今すぐプロで、チームメイトをファンを、その守備ワークで驚かせよう。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

にらさわ ゆうや 遊撃手
韮澤 雄也
177cm 80kg/右投左打
花咲徳栄高
50mタイム 6.2秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
<手>が上手いから、打ってもヒットになりそうもないボールにまで、「とりあえず合わせてみました…」みたいな感じで、ハンパなスイングをして追い込まれてしまうのが惜しい。今夏予選も、甲子園でも、その傾向は変わらなかった。投球を追いかけないことだ。自分のゾーンで待ち構えて、腹を据えて振り抜く<意識>に切り替えることができるか。柔軟で打球との当たりがソフトなフィールディングは相変わらずだが、捕球→送球の間にムダな動作が挟まらないように。そのワンポイントだけだ。
走攻守、オレはこれだ!と確信を持てるものがあるのか、ないのか。プロで「勝負」できる何かを獲得できるまで、プロの手前で3年、4年、もうひと勉強したほうが向いていると見る。怒られるかもしれないが、「新潟出身者」の成功確率の低さも気になっている。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

しもむら かいと 投手
下村 海翔
176cm 76kg/右投右打
九州国際大付高
球速帯 136~145キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 縦のスライダー/横のスライダー/チェンジアップ
コントロール率 62%
西日本で「金足農・吉田輝星(現・日本ハム)」のDNAを継承するのは、この右腕だろう。背格好はそっくり。速球のスピード以上に、リリースの瞬間にボールを指先でぐいと押し込んで「投げ込める」高校生は稀少だ。それがインパクトの瞬間のボールの破壊力となって、打球が前に飛ばない。低めの速球が唸ってホップしてくる体感は、強力な変化球を1つ多く持っているぐらいの「必殺兵器」になる。特に、右打者の外角低目を突く<ライン>はプロ級の鮮やかさ。投球の<基本>は一級品。
今夏予選でも、絶好のチャンスを逃した直後のイニングに、ボールが浮いたり、中に入ったりして、手痛い失点をこうむる。そうした<幼さ>が顔を出すことがしばしば。2種類のスライダーは対高校生には<必殺>だが、さらに何か1つ勝負球を。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

おちあい しゅういち 投手
落合 秀市
185cm 90kg/右投左打
和歌山東高
球速帯 140~146キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/カーブ/フォーク
コントロール率 61%
正直、本気で3年間野球に取り組んできていたら、「奥川恭伸」に近いぐらいの実戦力を持った剛腕になっていたはずだ。今年の智弁和歌山は全国レベルの強打線だったが、それでも6安打1点ぐらいには封じていただろう。一見馬力十分の体格だからパワーピッチャーに見えるが、柔軟性もボディーバランスも文句なし。スライダー、カットにフォーク…多種の変化球を操って、速球も常時140キロ前半で角度、ベース上の強さ共一級品。これで制球率60%前後なら、素材は「甲子園組」と全く互角。
この先は、投手としての守備ワークや牽制、クイック…投げる以外の<仕事>以外にも興味を持ってほしい。今はまだ、野球の幅広さ、奥の深さ、そして恐ろしさを何も知らないはず。プロ志望なら、ある程度はこの秋の内に勉強しておきたい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

たけおか りゅうせい 遊撃手
武岡 龍生
178cm 77kg/右投左打
八戸学院光星高
50mタイム 5.9秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
やはり、バッティングの<最大値>は大きな魅力だ。遊撃手の正面で激しく跳ねるほどのエネルギーを持った打球を弾き返す瞬発力、エラーをした直後の打席で甲子園のバックスクリーン横にぶち込む勝負根性。逆転の大チャンスに、なんで…?の凡ゴロに打ち取られる粗さもあるが、人ができないような<芸当>ができるのは、間違いなく秀でた才能だ。反面、打球を待って捕る傾向が出ていないか…。正面のゆるい打球を、前で勝負にいけない(いかない?)のは、遊撃手の命取りにも。
「U18」関係の実戦を見ていたら、「セカンドのほうが上手いかな…」と思ったりしたものだ。遊撃手だと、初動の判断に迷いがあったり、ちょっとギクシャクした面が見えたが、二塁手だと本人が安心して守っている印象。「強打の二塁手」は稀少価値だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

いしかわ たかや 三塁手
石川 昂弥
185cm 84kg/右投右打
東邦高
50mタイム 6.3秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
いきなり大きなことを言うようだが、プロで「三冠王」の目が出てきたように思う。いくら金属バットの野球とはいえ、もともと中堅から右中間にプロ顔負けの長打力を誇っていた打者が、この春から夏にかけて、バッティングのバリエーションを増やし、「アベレージヒッター」の資質をも発揮し始めたから驚いた。鋭いスライダー、チェンジアップをライト線に痛烈に弾き返し、タイミングを外され体勢を崩されても<ポテン>に持ち込む。
木製バットの「U18」でいちばん使いこなしていた。引き腕(左腕)を使えるから、インサイドアウトのスイング軌道が描けてボールの内側を叩いている。イメージより塁間が速いし、走る意欲も旺盛。2年目から一軍レギュラーでもおかしくない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

まつもと りょうと 投手
松本 凌人
183cm 85kg/右投右打
神戸国際大付高
球速帯 137~143キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/スプリット
コントロール率 57%
評判の高かった昨秋の近畿大会は、初回に5連打4失点の大炎上。そこから立て直してきたのがすばらしい。そんな<過去>があったとはとても思えないような、磐石の熱投を見せてくれた今夏。県予選決勝までの全試合に先発、いずれも見事に試合を作ってみせた。新兵器スプリットにスライダーを交え、サイドハンドから135キロ前後の速球が145キロ程度の体感でミートポイントにねじ込んで、送りバントのバットすら跳ね返す。パワーがありながら、根気よく丁寧な投球が高い実戦力に。
一見、パワーピッチャータイプなのに、馬力も人一倍なのに、そこに頼らずに、緩急で打者のタイミングを外そうとする意識が旺盛なのが、何より「プロ向き」の才能だ。もしかしたら、昨秋の<苦汁>がそれを教えてくれたのかもしれない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

しげよし つばさ 投手
重吉 翼
183cm 84kg/右投左打
日本航空石川高
球速帯 138~146キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/スプリット
コントロール率 53%
せっかく、しっかり1歩踏み込んで体重移動のスピードで腕が振れる理想のメカ二ズムを持っていたのに、昨秋はスピードをほしがったのか、力任せの早く開くフォームになって、案の定、ヒジを痛めた。今年になって、元のフォームを取り戻してひと安心。冬の間にひと回りサイズアップして、145キロ前後の速球の質とスプリットを武器に強気に攻めるピッチングで今春以降急台頭。ステップで半身が作れて、そこからトップを作るから球持ちが抜群。タイミングの難しい剛腕になってきた。
今春県大会・決勝戦の金沢星稜高相手に、自己MAXの「148キロ」をマークしたと聞く。<夏>を思いきり意識した相手に、決勝でフルパワーを発揮できる底力はタダモノじゃない。まだまだ隠し持った<才能>がいくらもあるはず。無名でも逸材だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

しんとう ゆうや 捕手
進藤 勇也
182cm 84kg/右投右打
筑陽学園高
50mタイム 6.5秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
見るたびに、「いいキャッチャーだなぁ」と感心する。投手が<1球>を投げるために費やしてきた努力をよく理解しているように見える。やることに心がこもっている。逆球も上体を動かさずに、しっかりミットを止めて捕球。低めの惜しい「ボール」には、2秒ミットを止めて、投手の無念さに共感し応えてみせる。ピンチにもバタバタせず、落ち着きはらった所作と、一転、走られた時の敏捷なフットワークと安定した送球軌道。人材豊富な今年の高校生捕手の中でも、ディフェンスならこの捕手だ。
バッテリーを組む快腕・西舘昂汰…果たして、来年からキャッチャーが代わった時に、同じような投球ができるのかどうか。余計な心配までしてしまう。これだけの守備センスが「打」に生きないわけがない。いずれはプロのレギュラーマスクを。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

ふじた けんと 捕手
藤田 健斗
173cm 75kg/右投右打
中京学院中京
50mタイム 6.6秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
盗塁阻止の二塁送球だけじゃない。一塁走者へのけん制動作とか、自分の前にポトッと落ちた送りバントの一塁送球、二塁送球…その一瞬のフットワークの鋭さ、捕って投げるスピードと鮮やかなスナップスローの伸びと精度は、もしかしたら、この捕手、<ショート>ぐらい守れるんじゃないか…そんな印象の守備ワークだ。キビキビした所作と同様のメリハリの効いた話しぶり。目も強さの野球的聡明さが見える。あとは、実戦で痛烈なピッチャー返しのできるバッティングを。派手な長打より、こっちだ。
「捕手」のいでたちがピタリ似合って、ものすごく<いい匂い>のするキャッチャーだ。それだけでも大きなアドバンテージ。二塁ベース上にポンと乗せられるスローイングを、繰り返し身に刷り込もう。攻守に、派手にものより「確かなもの」を。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

わたなべ たくみ 投手
渡辺 拓海
191cm 100kg/右投右打
酒田南高
球速帯 138~146キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/カーブ/チェンジアップ/フォーク
コントロール率 68%
登板前のブルペンで、いきなり「ロッキング」(両足をステップした広さに広げておいて、右足、左足に体重を乗せ換えてから投げる)からピッチングを始めたから驚いた。100キロのわりに体重移動がとてもスムース。これだけ体重を乗せ換えて投げられるなら、<100キロ>あってもよいのかもしれない。後で聞いたら「わんぱく相撲」で鍛えた下半身。股関節が十分動いて投げられる140キロ前半なら、さらに鍛えて「150キロ」の期待もかけてよい。この夏は絞ったのだろう、90キロぐらいの体になっていた。 
高く評価できるのは、タテ・横のスライダーにチェンジアップ、フォーク…多様な変化球を投げられる器用さと、70%前後構えたミットに投げられる制球力を兼備していること。前日完封の翌日にも145キロ前後マークできるのは筋肉の質も柔らかいはずだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

あさだ そうた 投手
浅田 将汰
181cm 85kg/右投右打
有明高
球速帯 140~146キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/チェンジアップ/フォーク/カーブ
コントロール率 54%
初回の投球練習から145キロが出せる優秀な<エンジン>を持ち、最終回にも145キロ前後を立て続けにマークできるスタミナと鋭いタテのスライダーも兼備。九州のパワーピッチャーなら、この浅田になるだろう。但し、ここから先の「レベル」で自己実現できるかどうかは、いくつも持っている武器に本当の意味の<威力>を与えてくれる精度の獲得だ。変化球も種類は多いが、カウントが取れたり、不利なカウントを立て直せる変化球は最後まで見当たらなかった。ここからが「正念場」だ。
<剛腕>は、自分の球威に惚れてしまうあまり、打者に対する用心深さを忘れてしまう。これは、剛腕の悲しい<共通項>。むしろ打者でも…と思わせるほどの猛烈なスイングスピードからも、あり余るほどのパワーは確認済み。丁寧さも大切に。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

いのうえ ひろき 投手
井上 広輝
181cm 81kg/右投右打
日大三高(東京)
球速帯 136~145km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/フォーク/ツーシーム
コントロール率 58%
191cmの超長身・広沢優もこの春には140キロ後半に球速帯を伸ばし、<夏>のこの両輪のブレークぶりをとても楽しみにしていた者としては、甲子園予選に現われた二人の停滞ぶりには大きな落胆を伴ったものだ。しかし、絶対にこんなものじゃない。広沢はボールの角度で、そして井上はホームベース上のボールの<質>を武器に、十分プロで働ける資質を持つ。昨春、ヒジを痛める前までは、右打者の外角低目にタテと斜めの角度を合成したすばらしい快速球があった。忘れられない。
夏の終わり方があまりよくなかった。本領をほとんど発揮できぬままに、試合前半で降板。タイミングとして、「さあプロだ!」とはいかない。「進学」なら引く手あまたと聞く。心機一転、自分が快適に、存分に腕を振れるフォームを探してみるのも手だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

かわしま りゅうし 投手
川島 隆志
179cm 73kg/左投左打
宮崎一高
球速帯 137~143キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/チェンジアップ
コントロール率 56%
宮崎の左腕なら都城東・武藤敦貴とにらんでいたら、彼の故障もあったが、昨秋からこちらの左腕がぐんぐん頭角を現わし、この春にはかなり水を空けてしまった。この時期130キロ後半の速球とスライダーを両サイドにきめられては、高校生は攻略困難。特に左打者にとっては、スライダーは全く球筋を終えず、リリースの見にくさが大きな武器に。今夏にかけては、球速を140キロ前半に伸ばし、全国有数の総合力を持った明石商(兵庫)を練習試合で完封して9奪三振。右肩上がりの成長遂げる。
今夏予選では、宮崎工戦で大会タイ記録の17奪三振。そのうち、おそらく15三振は、140キロ前半のクロスファイアーで奪っている。左腕にしか投げられないクロスファイアーのきびしい球筋。反面、スライダーの制球がバラつく。この秋に改善を。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

たまむら しょうご 投手
玉村 昇悟
178cm 77kg/右投左打
丹生高
球速帯 137~147キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/チェンジ アップ
コントロール率 57%
無名の公立校の投手なのに、強豪相手にも物怖じせずに実力の大部分を発揮できる。何よりこれが一番の長所だ。今夏予選の決勝戦、すでに全国の強豪にのし上がった敦賀気比を相手に、いつもと変わらぬ穏やかな表情で、いつもの「玉村昇悟」のピッチング。こういうヤツが一番頼りになるのだ。140キロ前後の速球とスライダーを低く、低く集めて、3回の3失点だけに抑えて10奪三振だ。淡々と、粛々と…雄たけび上げることもなく、終わってみれば、福井県大会新記録の52三振を奪ってみせた。
柔軟性、バランス感覚、低目を出し入れできる制球力に、常時140キロ前後の速球。左腕特有のぎこちなさも全く心配なく、プロの食事とトレーニングを注入すれば、すくすく育っていきそうなイメージ。すごくなくても、欠点がないのが一番の魅力だ。この先の伸びしろにも期待。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

にしだて こうた 投手
西舘 昴汰
187cm 83kg/右投右打
筑陽学園高
球速帯 136~142キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/チェンジアップ
コントロール率 66%
ダイナミックなフォームでも、ちょっとセーブしながら投げている「7、8分感」がいい。この夏は、苦しいはずの炎天の準決勝でも、実に涼しい顔で、いい表情で投げていた。高校生で「安心して見ていられる」投手なんて、そうはいない。左打者の足元にきまるカット気味のスライダーは、変化点の近さも鋭さも文句なし一級品。これだけのサイズがあって、両サイド投げ分ける技術と感覚があるのはありがたい。ピンチを作っても、自分の<世界>を崩さず辛抱して切り抜ける芯の強さも。
長い手足で敏捷な牽制がお見事。デカいのに細かいことができて、ピッチャー返しに反応する準備も、ちゃんとできている。これ、伸びる条件の絶対条件の1つ。セフティの処理ほか守備力抜群だったアドゥワ(広島)が好例。いくらでも成長できそうだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

いのうえ はると 投手
井上 温大
174cm 68kg/左投左打
前橋商高
球速帯 136~142キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ
コントロール率 63%
小柄な体躯でも、四肢を伸びやかに、しなやかに使いこなして投げる姿が誰かに似ている…と思って、思い出したのが名古屋電気(現・愛工大名電)・工藤公康投手(ソフトバンク監督)だった。きれいなラインを作って右打者の懐に食い込むクロスファイアーは、左腕にしか投げられない<魔球>だ。工藤投手はカーブが真骨頂だったが、井上はスライダーが光る。タテにキュッと落ちるのと、横に滑る体感の2種類。これでカウントがとれるから、打者がスライダーを意識してくれて、速球を打ち損じている。
大人しそうに見える童顔だが、内面はかなりトンがった<牙>を持っているはず。打たれた相手には、次の打席の「復讐心」がすごい。まず、近い所をズバッと突く。童顔は得。やられても、あまり憎しみを感じない。そんな<追い風>も受けている。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

えんどう じょう 投手
遠藤 成
178cm 82kg/右投左打
東海大相模高
球速帯 137~147キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/スプリット
コントロール率 57%
「投手」なのか、「遊撃手」なのか…よりも、この選手が野球に注ぐなりふり構わぬ意欲とエネルギーを称賛したい。この夏、甲子園の「遠藤」に驚いた。炎熱の試合終盤、先発で投げ続ける彼がショート正面のゴロで、血相変えて一塁目がけて突っ走る。「投手」だったら、少しは力を抜いても…の場面なのに、「投手・遠藤成」は自分に容赦しない。そのバイタリティがすばらしい。その突進力さえあれば、投手だろうが遊撃手だろうが、プロの激烈なサバイバルを勝ち抜いて、頭角を現していけるはずだ。
「投手」なのか、「遊撃手」なのか…遊撃手としての将来性に期待したい。外野手でもよい、バッティングと足を生かす手だ。左中間に距離を出せて、球足の衰えない打球を弾き返せるバッティングは、引き腕(右腕)が使えるから。強打は全国有数だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

おくがわ やすのぶ 投手
奥川 恭伸
183cm 84kg/右投右打
金沢星稜高
球速帯 138~150キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/ カーブ/ツーシーム/チェンジアップ/フォーク
コントロール率 68%
高校生に最も縁遠い「コンスタント」という「超能力」をすでに備えている。いつも145キロ前後のスピードを発揮しながら、日替りチョイスの変化球をいつも3種から4種用意して、どんな大舞台でも、登板すれば常に<想定内>で試合を収めてみせる。「ミスターコンスタント」…高校生には似つかわない称号だろうが、こんなに似合いの称号もない。相手打者の弱点を探れる<目>と、ここだ…と見極めたらとことんつぶしにいくしたたかな<ハート>。燃え過ぎず、しかし体のすみずみまでパワーをみなぎらせ、そのバランスがなんともにくい。
今の実力なら、高校生ルーキーでもすぐ一軍に呼びたくなるだろう。それぐらいの<覚悟>でプロに進もう。1年間全力投球しても壊れない体を、できるだけこの秋に作っておくことだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

ささき ろうき 投手
佐々木 朗希
189cm 81kg/右投右打
大船渡高
球速帯 142~155キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ/フォーク
コントロール率 56%
驚いたのは、この春の「163キロ」じゃない。去年の夏のほうだ。岩手に余裕で150キロを投げる右腕がいると聞いて、ホントかな…と思いながら足を運んだ岩手県予選。初回から立て続けに150キロ台がホントに並んで、しかも本気で投げている様子もなくて、これが2年生の夏のことだ。だから163キロが出た時も、「ひと冬越してれば、それぐらい出るだろう…」。その時も全力投球には見えなかったから、むしろ、ちょっと本気で投げたら<170キロ>ぐらい簡単に出してしまいそうで怖かった。
ここに来て血豆がどうした…とか騒いでいるが、プロで投げるなら「先発」だろうから、1週間に一度の野球だったら指先の<体調>の合わせ様もあるはずだ。最初の1年は姿を消して体の芯の強さを作ろう。2年目からはすぐ15勝を期待できる。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

すずき ひろと 投手
鈴木 寛人
186cm 76kg/ 右投右打
霞ヶ浦高(茨城)
球速帯 140~147km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/フォーク/カーブ
コントロール率 53%
真っ向から投げ下ろす…の表現がそのままピッタリの真性オーバーハンドの角度がまずすばらしい。指にしっかりかかった時の145キロ前後は、スピード以上に<強さ>抜群で少々甘く入っても、高校生のスイングは粉砕してきた。勝負球のタテのスライダーは、落差と変化の鋭さを併せ持って<魔球>に近く、決め手を持っている投手は上のレベルで強い。しかし、いくら球威があっても、打者のリズムに合わせて投げてしまっては宝の持ち腐れ。打者が嫌がることをするのも投手の<仕事>だ。
実戦のマウンドでグラッときやすいのは、「成功体験」が少ないからではないか。身体能力は抜群でも、粗けずりな本格派だから、制球で自滅もあったはずだ。「ピッチング」の多様性を勉強しながら、時間をかけて社会人で成功体験を積むのも悪くない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

みやぎ ひろや 投手
宮城 大弥
172cm 75kg/左投左打
興南高(沖縄)
球速帯 136~145㎞キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/チェンジアップ/フォーク
コントロール率 61%
3年夏のピッチングをぜひ「甲子園」で見たかった1人だ。その分はU18で十分見せてもらった。2足分ほどインステップするのに、難なく体の角度を切り替えて、右打者のふところにクロスファイアーをズバッときめてくる柔軟性とボディバランスはなんだ!普通なら欠点になるインステップを、逆に味方につけて<武器>にしている。しかも勝負球では145キロ前後をマーク。小柄に見えるが、投げるバワーと技術を満載。スライダー、カーブをカウント球にも勝負球にも使えて、フォークは正念場の切り札に。隙を見せない左腕だ。
追い込んでから決めにいくボールが一級品。だからプロでも働ける。上背はなくても、球筋に彼独特の<角度>があって打ちにくい。万が一のときは「バットマン」だ。内外角にそれぞれのスイング軌道を持ち、自然に振り出してインパクトで痛烈に叩ける技術はすばらしい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

にし じゅんや 投手
西 純矢
184cm 85kg/右投右打
創志学園(岡山)
球速帯 142~150キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/スプリット/カーブ
コントロール率 55%
「創志の西」といえば、140キロ後半の快速球がまず頭に浮かび、それを続けて追い込んで、ボールゾーンに落とすタテのスライダーで三振を奪うパターンだと思っていたら、「U18」の投球を見て驚いた。スプリットをチェンジアップ効果狙いで使い、勝負球に快速球。ピッチングの組み立てにバリエーションが増えている。変化球のコントロールも上がっているし、前ほどは無駄に力まなくなった。この1年、悔しい思いを経験しながら、新しい「西純矢」を構築してきた努力がはっきりとピッチングから見てとれる。
先発で長いイニングよりも、「後ろ」のほうが合っているだろう。変化球でカウントを作れるようになったのが<強み>だ。それでも、「1イニング」では勿体ない。試合終盤の2イニング、3イニングを託せる強力なストッパーになれる心身の強靭さを感じる。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

ほった けんしん 投手
堀田 賢慎
185cm 81kg/右投右打
青森山田高
球速帯 137~147km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ/スプリット/ツーシーム
コントロール率 64%
両肩のラインの内側でテークバックがなされ、腕が巻き上がり、振り下ろされる。決して力を入れて投げようとし過ぎない。踏み込んだ左足の位置が、いつも変わらない。力み過ぎないから頭が動かずに、投げるボールの軌道が安定している。上体がしっかり半身を作り、左腰から踏み込んだ時の速球の角度、指のかかりはすばらしい。「140キロ」でも5キロ増し、10キロ増しの「体感スピード」。ホームベース上の強さはなんだ。こういう投手が、全国にもっとたくさん出てこないかな…と思う。
上のレベルに行っても、フォームはほとんど直す所がないだろう。周囲から「頑固」と言われるほどの気持ちの強さ。ターゲットを真っすぐに直視できるいい目をして、東北育ちのまったり感はない。「ジャパン」じゃないのが不思議なほどだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

こばやし じゅい 投手
小林 珠維
183cm 86kg/右投右打
東海大札幌高
球速帯 138~150km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ
コントロール率 46%
「アスリート」しての身体能力は間違いなく一級品。50m6秒そこそこの俊足に、ライナー軌道で70m前後投げられる強靭な地肩。タイミングが合えば140mは飛ばせる瞬発力も兼備して、プロ野球選手としての条件は揃っている。ストライク、ボールがはっきりしている<幼さ>は、結局、最後の夏まで顔をのぞかせていたが、バランスのとれた時の速球のパワーは、捕手の<捕球音>が教えてくれる。長打力は目を見張るバッティングも、芯のあたりで丁寧に捉える正確さについては、まだ幼い。
この4月、「U18」の候補合宿に参加したあとの<ブランク>。伸びる時期の春から夏に、もう一つ不完全燃焼があったのが残念。野球には身体能力も必要だが、同程度かそれ以上に「技術」が必要。大学か社会人で、もうひと勉強してからでも遅くない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

およかわ まさき 投手
及川 雅貴
183cm 74kg/左投左打
横浜高
球速帯 137~145km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ
コントロール率 55%
「これからの投手」が横浜高のエースという看板を背負って、たいへんな高校野球生活だったと思う。本格派として育ちたいからスピードも欲しいが、試合で投げれば勝たねばならない。揺れまくった2年間だったはずだ。屈辱のセンバツからこの夏にかけて、すごく投手らしくなった。生きた球質と狙ったポイントに投げられる制球力があれば、サウスポーは145キロ前後で十分だ。もともと、スライダーの鋭い変化はプロで通用するレベル。素質なら、やはり今年の高校生左腕№1は間違いなし。
まずは、じっくり筋肉量を増やしていこう。比例して、勝手にスピードは上がってくる。本人、とても気にしていた「メンタル」だって、何も心配することはない。「横浜高」でレギュラー張っているほどの選手が、メンタル弱いわけがないだろう。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

まえ ゆいと 投手
前 佑囲斗
182cm 88kg/右投右打
津田学園高
球速帯 134~148km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/カーブ/ツーシーム/チェンジアップ
コントロール率 63%
この1年間で、急激にピッチングレベルを上げてきた。何かをつかんだように見える。速球の球速帯が広い。速球にも意識して球速差をつけているあたり、投手の仕事は打者のタイミングを外すこと。そこに行き着いたのかも。スピンの効いた速球は140キロに届かなくても空振りの三振を奪い、カットボール、ツーシーム、チェンジアップ…<速球系>の変化球で、打者に気づかれないようにバットの芯を外す。マウンド上の姿は地味でも、相手に回すとこんなに手ごわいヤツもいない。
スピードガンと勝負するような<愚>も犯さず、それでも、ピッチングにメリハリ、強弱をつけられる技術。どこで覚えてきたのか。力まなくても145キロ前後をマークできるパワーも兼備。3年目から一軍ローテーションで投げられる投手と見る。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


かねこ りく 外野手
金子 莉久
165cm 70kg/右投左打
白鴎大(国学院栃木高)
50mタイム 5.7秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
日本一速いかもしれないですよ…監督のそんなつぶやきが実物を見ると余計に実感できる。外野を破ったと思った瞬間からの加速のすさまじさ。慣れてない人では目で追うのはきびしい。チャンスを広げたい場面では、叩きつけるように高いバウンドのゴロでまんまと内野安打。ちょっと甘く入ると、センター頭上をあっという間に越せる瞬発力も隠し持ち、小柄でもプレーに非力感全くなし。敏捷なスピード感で左中間、右中間突破を許さない守備力も,外野が深い球場が増えた今のプロにはぴったり。
小柄なことを<ハンデ>と思っていない感じの、いい意味の「開き直り」が頼もしい。人をうらやむより、自分の持っている才能で思い切り暴れればそれでよし!吹っきれた感じのなりふり構わぬ走・攻・守に今季新人王濃厚の近本光司(阪神)が重なる。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

えびな たつお 三塁手
蝦名 達夫
185cm 88kg/右投右打
青森大(青森商高)
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
北東北リーグを代表する右のスラッガー。体の開きが解消傾向にあった「春」は3ホーマー。この夏のオープン戦はセンターから右中間方向への打球が飛距離も伸びて10試合で6ホーマー。4弾をセンターから右方向へ放り込んだ。真ん中低めあたりがすでに<ツボ>になっていて、レベルが上がるほどストライクゾーンの下がる「野球」ではローボールヒッターが有利だ。いちばん自信があるのは足だという。特に長打の時のロングラン。さらに、70m前後ライナー性の軌道が作れる強肩も兼備。
中央球界には全く無名の存在でも、高校時から東北有数の大型三塁手として秘かに注目していた。身体能力に不足・不安はまったくなし。これだけの素質があるのだから、もっと前に出て来い!「秘めた闘志」など、プロでは誰も信用しない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

なかむら けんと 外野手
中村 健人
182cm 80kg/右投右打
慶應義塾大(中京大中京高)
50mタイム 5.9秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
地肩の強さと強靭なバネを生かした猛烈スローイングは、昨年の辰己涼介(立命館大→東北楽天)に迫る強さとスピード感だ。ここ一番で力でねじ伏せてやろう!的な強引さがなくなれば、今の「猛肩」はさらに威力を発揮できる。死球直後のストライクを取りにくるボールを、狙いすましてバックスクリーンに放り込む<怖さ>と、ホームランの次の打席で気負いが過ぎて外のボールを引っかけてしまう<幼さ>が同居しているが、圧倒的な身体能力があるから、これも「伸びしろ」に見える。
スイングスピードに関しては、間違いなくすでにプロレベル。東京六大学のエース格がビビッた腕の振りになるほどの猛烈スイングだ。あとは、「インコースの140キロ台」を弾き返せるバットコントロールを覚えることだ。プロで働けるかどうかの分岐点に。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

やなぎまち たつる 外野手
柳町 達
180cm 74kg/右投左打
慶應義塾大(慶應義塾高)
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
こんなに正確なスローイング能力を持つ選手は、アマチュア野球で彼だけと見る。80m前後のロングキャッチボールでも、ほぼ相手選手の顔から胸に集中。三塁、本塁返球の距離感も抜群で、捕った相手がタッチプレーのしやすいワンバウンドをきちんと投げられる。<地肩>の強い選手はいくらでもいるが、この選手のような丁寧さと<意味>を持ったスローイングのできる選手はなかなかいない。身軽で軽快なフットワークで、塁間の速い走りはアベレージの心強い味方にもなってくれる。
スリムな体型だから非力に見えるが、よくよく見ると全く心配なし。フルスイングしても頭が全く動かないボディーバランスのすばらしさと、タイミングを外されて打ち損じた打球が外野で伸びているあたり、インパクトの瞬間のヘッドスピードは一級品だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

うぐさ こうき 外野手
宇草 孔貴
185cm 83kg/右投左打
法政大(常総学院高)
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
野球センスはずば抜けているのに、線が細くて打ち負けていた高校時から、別人のようにバッティングのたくましさが増している。140キロ台の速球を引っぱって右中間突破のライナーの長打が打てるようになったし、もっと驚いたのは、リーグ戦でレフトスタンドに叩き込んだ一弾。流してフラフラッと入った打球じゃない。伸びたまんま、スタンド中段に突き刺さった。全身のバネでぐいぐい体を運ぶベースランニングには、スリーベースメーカーの資質も。めざせ、秋山翔吾(西武)!
飛び抜けた強肩じゃないぶん、指にかかった痛烈なスナップスローを覚えたい。高校時は二塁手、三塁手…コンパクトなスナップスローで走者の進塁意欲を削ぐことはできるはず。このサイズで盗塁のスタートに躊躇(要ルビ)がないのはポイントが高い。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

うみの たかし 捕手
海野 隆司
173cm 77kg/右投右打
東海大(関西高)
50mタイム 6.4秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
ディフェンス能力は、プロ球界を代表する捕手にのし上がれる資質を持つ。ソフトバンク・甲斐拓也捕手をしのぐのではないか…と思われる鉄砲肩は、強く投げようとし過ぎないのがさらによい。二塁ベース上にポンと置ける技術と、スローイング動作に入ってから<体内時計>がカウントを開始。どれぐらいのアクションスピードで投げたら刺せるのか…頃合いの力感で投げてピシャリと刺す。両サイドの際どいボールを、上体を動かさずに捕球し、<ストライク>に見せる技術はすでにプロレベルだ。
自らの野球に自信が持てるようになったのか、今春のリーグ戦から打撃急上昇。打てるボールを探してフルスイングできるようになって、驚くような飛距離の本塁打も。「打てる強肩捕手」にレベルアップして、堂々「1位候補」に名乗りを上げていた。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

さとう としや 捕手
佐藤 都志也
181cm 83kg/右投左打
東洋大(聖光学院高)
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
昨年の春・秋2季はとても光って見えていた。上茶谷(現DeNA)、甲斐野(ソフトバンク)、梅津(中日)…1年上の剛腕たちとバッテリーを組み、その強烈なショートバウンドを懸命に止めながら、ライナー性長打力を発揮。時には意外な快足で盗塁を奪ったり、機動力を伴った捕手として、稀少価値が輝いて見えた。その<輝き>が今年は今一つ弱い。4年生特有の「やれやれ感」なのか…正直、もうワンパンチ欲しい。時折見せる内角低めに鮮やかなさばきなど、プロ顔負けの技術なのだが…。
もともとは一塁手、三塁手、外野もこなし、ポジション的な可能性の幅広さは、やはりこの選手のアドバンテージだろう。しかし、最大のアドバンテージは「捕手」も器用にこなせることだ。元内野手の名残りの「立ち投げ」は今のうちに直したい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

ぐんじ ゆうや 捕手
郡司 裕也
180cm 80kg/右投右打
慶應義塾大(仙台育英高)
50mタイム 6.2秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
この捕手が「レギュラー・マスク」になってからの4シーズン、すべてリーグ戦でAクラスが続く。「勝てる投手」になりたい…多くの高校生投手が言うが、「勝てる捕手」というのもそれ以上になかなかいないだろう。チェンジアップが切り札の投手なのに、スライダーとカットボールだけで攻めてみたり、速球で追い込んでカットで引っかけさせたり、チェンジアップ、チェンジアップ…と意識させて、チェンジアップを使わずに打ち取るしたたかさ。配球の面白さを体感している捕手に見える。
昨年から4番を務めてきたが、バッティングに関してはかなりフンドシを締め直す必要ありだ。場面に即して進塁打やタイムリーを打てる勝負強さは認められるが、<仕掛け>の遅さが気になる。勝負球がえげつないプロではマイナスに作用することも。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

はしもと ゆうき 投手
橋本 侑樹
180cm 70kg/左投左打
大阪商業大(大垣日大高)
球速帯 137~142キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カットボール
コントロール率 61%
左打者が球筋を全く見えていない。頭のあたりのボールを空振りして、外のクロスファイアーには手が出ない。この左腕の投球を見ていると、クロスファイアーも<変化球>だな…と認識を新たにする。ならば右打者は打てるのかというと、こっちも見えていない。ふた回り目の打席でも、懐を突かれる速球をびっくりして振っている。テークバックに時間をかけて、半身(はんみ)の姿勢で踏み込んで、体の左右を一気にきり返す。ボールを見にくくするメカニズムがフォームに刷り込まれている。
自分のペースで気分よく投げている間は、ストレート一本でも打たれないのでは…そんな勢いだが、走者を許してからちょいグラッとくるあたりが、これから<勉強>の部分だろう。それには牽制だ。打者に集中するために、首を使った牽制を覚えたい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

おおにし ひろき 投手
大西 広樹
176cm 80kg/右投右打
大阪商業大(大阪商大高)
球速帯 138~144キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/フォーク/チェンジアップ
コントロール率 67%
初球で右打者の外角低目にいきなりベストボールをきめられて、左打者の外にも、速球と同じ軌道からチェンジアップを沈められる。右打者、左打者の外角に確かな球道の<ライン>を持っており、勝負球に使っているフォークのタテの鋭い変化も一級品だ。狙ったポイントに投げられる精度と投球テクニックは、今年の学生球界ではトップクラス。空振りの三振を奪えるほどの速球のエネルギーはないが、打者の心理をさぐりながら、巧みにタイミングを外して打ち損じを重ねさせる巧さで勝負。
<伸びしろ>より、今の力量で勝負せざるを得ない辛さはあるが、とにかく実戦力がすばらしい。打球を追いかけた2人の野手がガラ空きにした二塁ベースにサッとカバーに突っ走る反応など、出来ることじゃない。プロでも「仕事」のできる投手だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

もりした まさと 投手
森下 暢仁
180cm 75kg/右投右打
明治大(大分商高)
球速帯 136~148キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/ チェンジアップ/カーブ/フォーク
コントロール率 64%
すでにもう立派な「プロ野球選手」になっている。この冬を境にしたこの投手の変身ぶりは、文字通り<劇的>なものだった。入学した当時から、素質は誰もが認めていた。だから、たまには手をつけられないような快投もあったが、勝手に力み返って序盤で自滅…アテにならない投手だったのが、昨秋が終わって主将就任を期に「人が変わった」という。彼が今、投げているのはボールなんかじゃない。神宮のマウンドから森下暢仁が投げ込んでいるのは、それは「エースの責任」である。
勝負球の右打者外角低め速球がシュート回転しなくなって、投球にスキがなくなった。タテのカーブは横ブレしなくなり、カットボールとフォークの制球も安定。変化球同士の緩急で追い込めるのが「使える決め手」だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

いせ ひろむ 投手
伊勢 大夢
181cm 87kg/右投右打
明治大(九州学院高)
球速帯 142~149キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/シンカー/ツーシーム
コントロール率 53%
スピードガンをねじ伏せるという意味での馬力、エンジンの大きさでは、エース・森下暢仁以上だと見ていた。いつまでスピードガンと<勝負>しているのかな…と思っていたら、この秋になって、少しずつ打者と勝負してアウトを重ねることに興味を持ち始めたように見える。クイックリズムのサイドハンドなら、力んで投げる150キロなんていらない。ただでさえ、球道が見にくく、ボールは勝手に動くのだ。制御されている140キロ前半のほうがずっと打ちにくい…ことに早く気づいてほしい。
今、空振りを奪っているシンカー。これを高低に出し入れできるようになったら、巨人のエース当時の斉藤雅樹投手に<1歩>近づける。あとはフッと抜いたようなスライダーだ。猛烈速球とシンカーがさらに生きる。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

よしだ だいき 投手
吉田 大喜
175cm 77kg/右投右打
日本体育大(大冠高)
球速帯 137~147キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/カーブ/スプリット
コントロール率 64%
大阪府下屈指の右腕としてビュンビュン投げていた頃は、もっと力任せの強引な投球だったが、大学で常勝チームを背負って投げ始めてからは、いち早く余計な力みを排除し、ちょうど頃合いの<出力>で腕を振って、生きたボールを投げるようになった。近くで見ていて、いいボールだなぁ…と思わずつぶやいてしまうのは、本当に「生きた速球」だから。低めに唸ってくる速球にはなかなか出会えない。スプリットも打者に気づかれないようにスッと沈んで、タイミングを外そうとする意識も旺盛だ。
先発して試合前半の投球は、そのままプロでも通用する。あとは、持久力がどこまでアップできるか。昨年のエース・松本航の様子はわかっているはず。1試合投げきる体調管理と、1シーズン投げきる体調管理も大切に。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

つもり ゆうき 投手
津森 宥紀
177cm 78kg/右投右打
東北福祉大(和歌山東高)
球速帯 138~147キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/ シンカー
コントロール率 53%
全国制覇した昨年の大学選手権のすごい投球を知っているから、今季の「投げてみなければ…」のあやふやさが信じにくい。右人差し指の爪を欠いていたのに、145キロ前後の猛烈な速球一本で抑え込んでしまった選手権・決勝戦。そういう絶体絶命の土壇場みたいな状況でないと実力を出せないのなら、逆にプロ向きという<推理>も立つが。リーグ戦ぐらいの刺激では物足りないのか…なんともミステリアスな存在に。サイドからホップして見える速球とスライダーに、キュッと沈むボールを。
リーグ戦にテンションが上がりきれていないとは思わない。むしろ、気合いとか気迫の意味を、力みや気負いと混同しているように見えるのだが…。持っているパワーの使い方を教えてくれる「カウンセラー」のような存在が必要なのかもしれない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

すぎやま こうき 投手
杉山 晃基
180cm 78kg/右投右打
創価大(盛岡大附)
球速帯 140~148キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ/フォーク/ツーシーム
コントロール率 56%
小孫竜二、望月大希…同じようにプロを目指す投手たちと腕を磨き合ってきた4年間。その環境がよかったと思う。試合で相手と勝負する前に、チームの中に<敵>がいるのが当たり前。そこでの4年間で培ったしたたかさが、実戦の投球に表れている。150キロ台をマークしているが、先発のマウンドではペース配分を考えながら、140キロ前半がアベレージ。腕が長く腕の振りの運動量は大。短いイニングをビュンビュンいかせたら、速球とフォークで抑え役がやれるのでは…
リーグ戦の投球より、「全国」のマウンドでの投げっぷりのほうが落ち着いて見えるのは気のせいか。いるべくしてそこにいる…そんな印象があるのは、さらに「プロ」のマウンドのほうがハマるということか。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


おおたりゅう 投手
太田龍
190cm 93kg/右投右打
JR東日本 / 東京(れいめい高)
球速帯 141~147キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/ツーシーム/チェンジアップ/フォーク
コントロール率 60%
鹿児島の無名の高校生が、わずか3年目で社会人野球の最高峰の「都市対抗」でチームを背負って投げられる。その成長度と成長させた環境がすごい。都市対抗の喚声と緊張感の中で、顔色一つ変えずに社会人の第一線を相手に試合を作れる安定感は、とても「21歳」じゃない。いいフォームになった。真上から腕を振り下ろして、過剰な力みがないから、しっかり指にかかって高く抜ける幼いボールがない。走者を背負っても145キロ前後のスピードが維持できる体力も加わって、素質開花目前と見る。
変化球に「実戦力」が加わった。だから、使える。右打者の足元にすべり落ちるツーシームは長打にならないボール。フォークは打ちたくなる高さから落として、どの高さからどこへ落とせば、どういう打球になる…その意味を知っている。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

まえの みきひろ 外野手
前野 幹博
185cm 85kg/右投左打
ヤマハ / 静岡(PL学園高)
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
永遠の名門・PL学園から入社して6年、よく辛抱して地道に実力を伸ばした。<6年間>といえば、小学1年生の子供が6年生のなまいき盛りに成長するほどの時間。この選手も6年かけて、穴の少ない怖いロングヒッターに成長した。真ん中低めがツボだ。スイング軌道にハマった時の雄大な放物線は、うわーっと思っているうちに中空に消える。タイムリーが欲しい場面では、丁寧に捉えてセンター返し。飛ばしたい欲望にあおられることなく、剛・柔使い分けたバッティングを実践できる。
ライトを守って、タッチアップの走者を三塁、本塁で刺せる強肩を誇る。50mを6秒そこそこで走る脚もあり、引き合いに出すには偉大過ぎるが、タイプとしては「阪神・福留孝介」だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

さとう なおき 外野手
佐藤 直樹
177cm 78kg/右投右打
JR西日本 / 広島(報徳学園高)
50mタイム 5.8秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
小園海斗(遊撃手・現広島)の2年上の報徳学園に、こんなエネルギッシュな外野手がいたとは。ポジションは違うが、よく似た雰囲気の新鋭外野手だ。まず、バッティングのパンチ力。思いきりのいいスイングとそのスイングスピード。弾丸ライナーで飛んでいく軌道と、外野を抜けて突っ走っていく行き足の鋭さ。アッというまに三塁を奪ってしまうスピード感…あれあれ、小園海斗そのものじゃないか。粗けずりな面を多く残すが、高校時の鈴木誠也(広島)のような<勢い>を感じるプレースタイルだ。
いつでもカットできる高さで70m前後投げられるスローイング能力は、プロでもトップクラス。去年の辰己涼平(立命館大→楽天)級の「鉄砲肩」だ。あとは、バッティング面でタイミングを合わせようとする意識。明確なトップを作りたい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

こんどう たくや 投手
近藤 卓也
187cm 85kg/右投右打
ヤマハ / 静岡(青山学院大)
球速帯 141~148キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ /カットボール/チェンジアップ/フォーク
コントロール率 62%
青山学院大では、東芝のドラフト候補・岡野祐一郎と同期。投手陣の二本柱として奮戦したが、二部転落も経験して社会人入りし、特にこの1年での成長は目を見張る。もともと、長身から投げ下ろす速球は、アベレージで145キロ前後。好調時は150キロに届くほどのパワーがあったが、今季はそれがストライクゾーンで制御できるようになり、持ち味の、打者のアゴを上げてしまうほどの<角度>が生きてきた。都市対抗では、先発で試合を作れる自在性も証明。社会人3年目にプロ入りの勝負をかける。
タテのスライダーとフォークの落差、角度は一級品。これもストライクがとれるようになって、明確な<武器>になった。まだそんなに酷使されていない<肩>も魅力。「第2の薮田和樹(広島)」になれる可能性を秘める
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

かわの りゅうせい 投手
河野 竜生
174cm 81kg/左投左打
JFE西日本 / 広島(鳴門高)
球速帯 136~145キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/ チェンジアップ/カーブ/フォーク
コントロール率 63%
私の中に、1つの「絶対共通項」がある。130キロ後半の速球があって、いつでもストライクがとれる変化球が2種類持っているサウスポーは、80%の確率でプロで働ける。この<法則>にピタリはまり、スピードで5キロ以上おつりが来るサウスポーがこの河野だ。スライダーをホームベースの三塁側に、チェンジアップを一塁側に、放射状の球筋があるのが強い。社会人3年目と若くても、一線級の強打者相手にひるむことなく勝負を挑む。マウンド度胸も頼もしい。
意外と知られていないのが、「サウスポーは左打者が苦手」。当てそうで怖い…という話をよく聞く。河野にはそれがない。左打者の内角を突ける技術を身に付けつつあり、ふところをドーンと突こうとする意欲があるのが、何より高ポイントだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

はまや しょうた 投手
浜屋 将太
173cm 81kg/左投左打
三菱日立パワーシステムズ / 東京(樟南高)
球速帯 138~145キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/フォーク/チェンジアップ
コントロール率 55%
樟南高(鹿児島)当時からやたら三振を奪うサウスポーだった。特に、斜めとタテの角度を合成したようなスライダーは、高校生には<魔球>。ミートポイントを作れずに、空振りの三振を次々と奪われて、練習試合、公式戦問わず「2ケタ奪三振」は当たり前。完投して20三振近い快投も再三やってのけていた。社会人で3年間、薄くひ弱に見えた体格が別人のように変わって、高校時にはなかった速球のパワーが新たな武器に。スライダー、チェンジアップだけでなく、速球でも奪三振が可能に。
もともと、しなやかな腕の振りと左腕には珍しいほどのボディーバランスが<財産>だったのが、柔軟性をキープしたままパワーアップできている。強敵相手にややひるむような面はあるが、<成功体験>を重ねることで解消できる。左腕の成長株だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

たての かずあき 投手
立野 和明
183cm 80kg/右投右打
東海理化 / 愛知(中部大一高)
球速帯 141~148キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ/スプリット
コントロール率 62%
社会人球界屈指の強打線相手に、138キロの速球でどん詰まり、145キロで空振りの三振。間違いなく「体感スピード」が優れている証拠。実際にピッチングを受けてみてわかった。ホームベース上で、ボールの回転がほどけない。逆に、ホームベース上でボールが加速するように、ミットに突き刺さる球質。時計の文字盤でいうと「11時」ぐらいの角度から、きれいに投げ下ろされる腕の振りは、肩甲骨の可動域の広さの証明。今は無名でも、3年後、5年後…ビッグネームになっている投手だ。
3月のスポニチ大会のピッチングが続いていたら、「1位入札」でもおかしくなかった。注目を浴びて、若いから力んだ、気負った。シュート回転して中に入った速球でボコボコにされて、いい<勉強>をした。学習効果が夏以降の成長につながった。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

おかの ゆういちろう 投手
岡野 祐一郎
180cm 84kg/右投右打
東芝 / 神奈川(青山学院大)
球速帯 138~146キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ/フォーク/ツーシーム
コントロール率 68%
「ハの字の軌道」を意識して投げているという。 「ハの字」、つまり、内角球は打者に近づくほど体の近くに、外角球は打者から徐々に離れていく。そういう軌道で投げているから、大ケガがない。特に、右打者が内角速球を跳びのいてストライクになった時。フォークも打者の足元にきまるようになって、困った時に投げるボールができた。この夏の都市対抗。追い込んで、セットから突如クイックでズバッと速球で内を突き、内野フライでピンチを切り抜けた。「大人の投球」のできる数少ない投手だ。
昨年は無念の指命漏れ。座右の銘の「七転び八起き」そのままに気持ちを立て直し、9回まで140キロ後半を維持できる速球を磨き、打者を圧倒できるパワーも獲得。投手としての<技術>は文句なし。あとは、発揮するチャンスを手にするだけだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部

みやがわ てつ 投手
宮川 哲
177cm 82kg/右投右打
東芝 / 神奈川(上武大)
球速帯 142~148キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/カーブ/フォーク
コントロール率 %
本気で「ピッチング」と取り組むようになったのが、上武大に入学してからだから、今年で<実働6年目>の投手。キャリアが浅いぶん、行き届かない面はあるが、目一杯のパワーで投げ込んでくる速球とカットボールの破壊力は、社会人球界でも屈指だ。速球でスイングを圧倒してカウントを追い込み、カットボールとフォークで打ち取るパターンに持ち込めた時は、攻略困難な投手。反面、ストライクをとるのがやっとの日は、加減して投げるカウント球を痛打されることも。社会人だが、「未完の大器」!
1年先輩の岡野投手が、ドラフト的には「最後の勝負」の年になりそう。投の柱をいっぺんに2本失えば、チームの危機だ。今季上り調子だった「東芝」を久しぶりの頂上にのし上げて、来年、堂々の1位でプロ入りを。勉強することは山ほどある。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部



もり けいと 遊撃手
森 敬斗
175cm 72kg/右投左打
桐蔭学園高()
50mタイム 5.8秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
16年ぶりに母校をセンバツへ牽引した昨秋の3ラン、サヨナラ満塁弾はお見事!のひと言。今春以降は、守備力が劇的に上達。快足・強打・好守の遊撃手として昨年の根尾昂(現中日)のレベルに接近。送球方向へ体の流れ作りながら、ボールと衝突せずにしっかりと捕球点を作って打球をさばく動きは、安心して見ていられる。「U18」では、中堅手としても、前で守れて後方の打球の背走にも強い。本職顔負けのディフェンス能力を発揮してみせた。
春までは「プロ一直線!」の勢いだったが、ここに来て、東京六大学方面への進学説が浮上してきた。プロ志望ならドラフト2位、展開次第では、繰り上げ1位もあったはずだが…。<迷い>があるのは、プロは時期尚早と「野球の神様」がささやいているせいだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


しおざき えいた 外野手
塩崎 栄多
182cm 78kg/右投左打
浜松工業高()
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
おばあちゃんが日本舞踊のお師匠さんで、本人も小学校卒業まで習っていたという。だからなんだ…身のこなし、特に「すそさばき」の鮮やかさはそのせいなのだろう。投げる直前に、パパッと細かなステップがきれて、スイング、ベースランニングのボディーバランスがすごくいい。しなやかにバットが振れて、スローイングもしなやかに腕が振れて、走る姿も「美しい」という表現でちょうどよい。高校通算30弾前後の実績も、本質はライナー性の打球で二塁打、三塁打量産の中距離ヒッターだ。
この夏は、相手チームからの警戒と打てねば!の気負いがミックスさせて空回り傾向だったが、こんなものじゃない。走攻守、三拍子そろった総合力は高い。但し、左打ちの外野手はプロでも飽和状態。プロ入り即レギュラーのレベルまで、大学で腕を磨こう。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


いのうえ こうだい 外野手
井上 広大
187cm 95kg/右投右打
履正社高()
50mタイム 6.3秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
この春のセンバツ。初回、最初の守備機会で、犠牲フライで3進を狙った走者を、ライトからのダイレクト送球で刺したプレーには驚いた。守備の実戦力は超高校級。地肩も強いが、投げるフォームが抜群。シートノックで見せておけば、走者の進塁意欲を消去できるレベルの<鉄砲肩>だ。春は、投手に背番号が見えるほど右肩が中に入り、反動であっさり開いていたバッティングが、夏にかけて改善された。本塁打を量産し、今夏の甲子園でも「初V」の牽引者のひとりになった。
それでもまだ、スイングは<外回り>の軌道を描く。センターから右中間方向に長打を!の意識で、インサイドアウトのスイングをこの秋のうちに獲得したい。絶好のお手本は、東邦高・石川昂弥。木製バットで暴れるためには、それは「必修科目」だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


かわの りょうた 遊撃手
川野 涼多
178cm 70kg/右投両打
九州学院高()
50mタイム 5.9秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
忘れられない場面がある。彼が2年生になったばかりの県大会、1つ前の試合(次に当たる相手の試合)をチームメイトと一緒にジッと見ていた彼が、9回になって他の選手が立ち上り、ベンチ裏に移動しても、ただ1人そのまま残って、ジッと試合を見つめ続ける。試合終了まで見届け、納得したように「うん、よっし!」…小さくつぶやいて、ベンチに向かった。左打席なら豪快スイングの長打力、右打席なら誘い球を見向きもしない選球眼と右中間長打の怖さを併せ持つスイッチヒッターだ。
スイング即スタートのダッシュ力と、二塁ベースカバーから三遊間の打球処理へとっさに切り換えられる守備力も出色。試合開始直後のファーストプレーの打球処理から、ベストプレーこなしてしまう超高度な野球センスは、間違いなくプロの資質だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


おかばやし ゆうき 投手
岡林 勇希
177cm 76kg/右投右打
菰野高()
球速帯 142~150キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ
コントロール率 58%
サイズは平均的でも、搭載するエンジンがデカイ。150キロ近い快速球を投じながら、平気で左中間最深部に放り込める心身のパワーは圧巻だ。ヒジと肩甲骨の可動域が広いのは、ピッチングだけにいいわけじゃない。バットヘッドを長く走らせて、フォローの大きなスイングで飛距離を出せるのは、肩がよく動くせいだ。この体から、どうしてこんなに勢いのあるボールが…そんな快速球の源もこの「身体能力」が影響している。あとは「出し加減」だ。力任せにならないように。<大人>になろう。
2年上のお兄さん(飛翔)が、広島カープで苦労しているのを目の当たりにしているはずだ。だから、オレはその上を行くんだ!そんな心意気が燃えているなら行くべきだ。野球も上手だが、他の球技も並み以上にこなすだろう。運動神経はモノが違う。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


くればやし こうたろう 遊撃手
紅林 弘太郎
186cm 85kg/右投右打
駿河総合高()
50mタイム 6.3秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
このサイズで彼ほど華麗で高精度な守備力の高校生はここ30年いない。フィールディングの上手さでいったら、高校時の坂本勇人(光星学院→巨人)と互角か、それ以上と見る。特に、地を這うようなゴロ打球に対して、股関節、ヒザ、足首が非常に柔軟に反応し、低い姿勢を保ったまま捕球→送球ができる才能が得がたい。普通、これぐらいのサイズの内野手だと、「三塁手」のほうが無理がないことが多いが、この選手には安心して遊撃手を任せてよいだろう。<華>のある大型内野手だ。
無名の遊撃手がポンと放り込まれた今春の「U18候補合宿」で、なんら物怖じせずに奥川恭伸の速球をあっさり左前に快打。あとは目に見える覇気を。しゃにむに、なりふり構わずバットを振り、走り、ボールを追う。高校生らしい<熱>が見たい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


こんどう たいき 遊撃手
近藤 大樹
168cm 68kg/右投右打
西日本短大付()
50mタイム 5.9秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
フィニッシュに関しては、こんなに上手い高校生遊撃手、過去に見たことがない。イレギュラーしたゴロを、まるで予期していたように難なくさばき、動揺もなく決してブレないスローイング。派手なスーパープレーはなくても、まずエラーしない。カットプレーも含め高精度のフィールディング、名人芸の守備ワークは「高校№1遊撃手」に推したい。チームを優勝に導いた今春の九州大会、高校№1左腕・宮城大弥から左中間最深部に長打を2本。打撃の小力が加わり、総合力でも全国級の存在に。
小柄を<マイナスポイント>にするスカウトもいるが、むしろその逆。小柄で動きがよくてパンチ力があれば、こんなに手の焼ける相手もいない。広島・菊地涼介の例を挙げるまでもない。今すぐプロで、チームメイトをファンを、その守備ワークで驚かせよう。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


にらさわ ゆうや 遊撃手
韮澤 雄也
177cm 80kg/右投左打
花咲徳栄高()
50mタイム 6.2秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
<手>が上手いから、打ってもヒットになりそうもないボールにまで、「とりあえず合わせてみました…」みたいな感じで、ハンパなスイングをして追い込まれてしまうのが惜しい。今夏予選も、甲子園でも、その傾向は変わらなかった。投球を追いかけないことだ。自分のゾーンで待ち構えて、腹を据えて振り抜く<意識>に切り替えることができるか。柔軟で打球との当たりがソフトなフィールディングは相変わらずだが、捕球→送球の間にムダな動作が挟まらないように。そのワンポイントだけだ。
走攻守、オレはこれだ!と確信を持てるものがあるのか、ないのか。プロで「勝負」できる何かを獲得できるまで、プロの手前で3年、4年、もうひと勉強したほうが向いていると見る。怒られるかもしれないが、「新潟出身者」の成功確率の低さも気になっている。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


しもむら かいと 投手
下村 海翔
176cm 76kg/右投右打
九州国際大付高()
球速帯 136~145キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 縦のスライダー/横のスライダー/チェンジアップ
コントロール率 62%
西日本で「金足農・吉田輝星(現・日本ハム)」のDNAを継承するのは、この右腕だろう。背格好はそっくり。速球のスピード以上に、リリースの瞬間にボールを指先でぐいと押し込んで「投げ込める」高校生は稀少だ。それがインパクトの瞬間のボールの破壊力となって、打球が前に飛ばない。低めの速球が唸ってホップしてくる体感は、強力な変化球を1つ多く持っているぐらいの「必殺兵器」になる。特に、右打者の外角低目を突く<ライン>はプロ級の鮮やかさ。投球の<基本>は一級品。
今夏予選でも、絶好のチャンスを逃した直後のイニングに、ボールが浮いたり、中に入ったりして、手痛い失点をこうむる。そうした<幼さ>が顔を出すことがしばしば。2種類のスライダーは対高校生には<必殺>だが、さらに何か1つ勝負球を。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


おちあい しゅういち 投手
落合 秀市
185cm 90kg/右投左打
和歌山東高()
球速帯 140~146キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/カーブ/フォーク
コントロール率 61%
正直、本気で3年間野球に取り組んできていたら、「奥川恭伸」に近いぐらいの実戦力を持った剛腕になっていたはずだ。今年の智弁和歌山は全国レベルの強打線だったが、それでも6安打1点ぐらいには封じていただろう。一見馬力十分の体格だからパワーピッチャーに見えるが、柔軟性もボディーバランスも文句なし。スライダー、カットにフォーク…多種の変化球を操って、速球も常時140キロ前半で角度、ベース上の強さ共一級品。これで制球率60%前後なら、素材は「甲子園組」と全く互角。
この先は、投手としての守備ワークや牽制、クイック…投げる以外の<仕事>以外にも興味を持ってほしい。今はまだ、野球の幅広さ、奥の深さ、そして恐ろしさを何も知らないはず。プロ志望なら、ある程度はこの秋の内に勉強しておきたい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


たけおか りゅうせい 遊撃手
武岡 龍生
178cm 77kg/右投左打
八戸学院光星高()
50mタイム 5.9秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
やはり、バッティングの<最大値>は大きな魅力だ。遊撃手の正面で激しく跳ねるほどのエネルギーを持った打球を弾き返す瞬発力、エラーをした直後の打席で甲子園のバックスクリーン横にぶち込む勝負根性。逆転の大チャンスに、なんで…?の凡ゴロに打ち取られる粗さもあるが、人ができないような<芸当>ができるのは、間違いなく秀でた才能だ。反面、打球を待って捕る傾向が出ていないか…。正面のゆるい打球を、前で勝負にいけない(いかない?)のは、遊撃手の命取りにも。
「U18」関係の実戦を見ていたら、「セカンドのほうが上手いかな…」と思ったりしたものだ。遊撃手だと、初動の判断に迷いがあったり、ちょっとギクシャクした面が見えたが、二塁手だと本人が安心して守っている印象。「強打の二塁手」は稀少価値だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


いしかわ たかや 三塁手
石川 昂弥
185cm 84kg/右投右打
東邦高()
50mタイム 6.3秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
いきなり大きなことを言うようだが、プロで「三冠王」の目が出てきたように思う。いくら金属バットの野球とはいえ、もともと中堅から右中間にプロ顔負けの長打力を誇っていた打者が、この春から夏にかけて、バッティングのバリエーションを増やし、「アベレージヒッター」の資質をも発揮し始めたから驚いた。鋭いスライダー、チェンジアップをライト線に痛烈に弾き返し、タイミングを外され体勢を崩されても<ポテン>に持ち込む。
木製バットの「U18」でいちばん使いこなしていた。引き腕(左腕)を使えるから、インサイドアウトのスイング軌道が描けてボールの内側を叩いている。イメージより塁間が速いし、走る意欲も旺盛。2年目から一軍レギュラーでもおかしくない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


まつもと りょうと 投手
松本 凌人
183cm 85kg/右投右打
神戸国際大付高()
球速帯 137~143キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/スプリット
コントロール率 57%
評判の高かった昨秋の近畿大会は、初回に5連打4失点の大炎上。そこから立て直してきたのがすばらしい。そんな<過去>があったとはとても思えないような、磐石の熱投を見せてくれた今夏。県予選決勝までの全試合に先発、いずれも見事に試合を作ってみせた。新兵器スプリットにスライダーを交え、サイドハンドから135キロ前後の速球が145キロ程度の体感でミートポイントにねじ込んで、送りバントのバットすら跳ね返す。パワーがありながら、根気よく丁寧な投球が高い実戦力に。
一見、パワーピッチャータイプなのに、馬力も人一倍なのに、そこに頼らずに、緩急で打者のタイミングを外そうとする意識が旺盛なのが、何より「プロ向き」の才能だ。もしかしたら、昨秋の<苦汁>がそれを教えてくれたのかもしれない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


しげよし つばさ 投手
重吉 翼
183cm 84kg/右投左打
日本航空石川高()
球速帯 138~146キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/スプリット
コントロール率 53%
せっかく、しっかり1歩踏み込んで体重移動のスピードで腕が振れる理想のメカ二ズムを持っていたのに、昨秋はスピードをほしがったのか、力任せの早く開くフォームになって、案の定、ヒジを痛めた。今年になって、元のフォームを取り戻してひと安心。冬の間にひと回りサイズアップして、145キロ前後の速球の質とスプリットを武器に強気に攻めるピッチングで今春以降急台頭。ステップで半身が作れて、そこからトップを作るから球持ちが抜群。タイミングの難しい剛腕になってきた。
今春県大会・決勝戦の金沢星稜高相手に、自己MAXの「148キロ」をマークしたと聞く。<夏>を思いきり意識した相手に、決勝でフルパワーを発揮できる底力はタダモノじゃない。まだまだ隠し持った<才能>がいくらもあるはず。無名でも逸材だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


しんとう ゆうや 捕手
進藤 勇也
182cm 84kg/右投右打
筑陽学園高()
50mタイム 6.5秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
見るたびに、「いいキャッチャーだなぁ」と感心する。投手が<1球>を投げるために費やしてきた努力をよく理解しているように見える。やることに心がこもっている。逆球も上体を動かさずに、しっかりミットを止めて捕球。低めの惜しい「ボール」には、2秒ミットを止めて、投手の無念さに共感し応えてみせる。ピンチにもバタバタせず、落ち着きはらった所作と、一転、走られた時の敏捷なフットワークと安定した送球軌道。人材豊富な今年の高校生捕手の中でも、ディフェンスならこの捕手だ。
バッテリーを組む快腕・西舘昂汰…果たして、来年からキャッチャーが代わった時に、同じような投球ができるのかどうか。余計な心配までしてしまう。これだけの守備センスが「打」に生きないわけがない。いずれはプロのレギュラーマスクを。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


ふじた けんと 捕手
藤田 健斗
173cm 75kg/右投右打
中京学院中京()
50mタイム 6.6秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
盗塁阻止の二塁送球だけじゃない。一塁走者へのけん制動作とか、自分の前にポトッと落ちた送りバントの一塁送球、二塁送球…その一瞬のフットワークの鋭さ、捕って投げるスピードと鮮やかなスナップスローの伸びと精度は、もしかしたら、この捕手、<ショート>ぐらい守れるんじゃないか…そんな印象の守備ワークだ。キビキビした所作と同様のメリハリの効いた話しぶり。目も強さの野球的聡明さが見える。あとは、実戦で痛烈なピッチャー返しのできるバッティングを。派手な長打より、こっちだ。
「捕手」のいでたちがピタリ似合って、ものすごく<いい匂い>のするキャッチャーだ。それだけでも大きなアドバンテージ。二塁ベース上にポンと乗せられるスローイングを、繰り返し身に刷り込もう。攻守に、派手にものより「確かなもの」を。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


わたなべ たくみ 投手
渡辺 拓海
191cm 100kg/右投右打
酒田南高()
球速帯 138~146キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/カーブ/チェンジアップ/フォーク
コントロール率 68%
登板前のブルペンで、いきなり「ロッキング」(両足をステップした広さに広げておいて、右足、左足に体重を乗せ換えてから投げる)からピッチングを始めたから驚いた。100キロのわりに体重移動がとてもスムース。これだけ体重を乗せ換えて投げられるなら、<100キロ>あってもよいのかもしれない。後で聞いたら「わんぱく相撲」で鍛えた下半身。股関節が十分動いて投げられる140キロ前半なら、さらに鍛えて「150キロ」の期待もかけてよい。この夏は絞ったのだろう、90キロぐらいの体になっていた。 
高く評価できるのは、タテ・横のスライダーにチェンジアップ、フォーク…多様な変化球を投げられる器用さと、70%前後構えたミットに投げられる制球力を兼備していること。前日完封の翌日にも145キロ前後マークできるのは筋肉の質も柔らかいはずだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


あさだ そうた 投手
浅田 将汰
181cm 85kg/右投右打
有明高()
球速帯 140~146キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/チェンジアップ/フォーク/カーブ
コントロール率 54%
初回の投球練習から145キロが出せる優秀な<エンジン>を持ち、最終回にも145キロ前後を立て続けにマークできるスタミナと鋭いタテのスライダーも兼備。九州のパワーピッチャーなら、この浅田になるだろう。但し、ここから先の「レベル」で自己実現できるかどうかは、いくつも持っている武器に本当の意味の<威力>を与えてくれる精度の獲得だ。変化球も種類は多いが、カウントが取れたり、不利なカウントを立て直せる変化球は最後まで見当たらなかった。ここからが「正念場」だ。
<剛腕>は、自分の球威に惚れてしまうあまり、打者に対する用心深さを忘れてしまう。これは、剛腕の悲しい<共通項>。むしろ打者でも…と思わせるほどの猛烈なスイングスピードからも、あり余るほどのパワーは確認済み。丁寧さも大切に。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


いのうえ ひろき 投手
井上 広輝
181cm 81kg/右投右打
日大三高(東京)
球速帯 136~145km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/フォーク/ツーシーム
コントロール率 58%
191cmの超長身・広沢優もこの春には140キロ後半に球速帯を伸ばし、<夏>のこの両輪のブレークぶりをとても楽しみにしていた者としては、甲子園予選に現われた二人の停滞ぶりには大きな落胆を伴ったものだ。しかし、絶対にこんなものじゃない。広沢はボールの角度で、そして井上はホームベース上のボールの<質>を武器に、十分プロで働ける資質を持つ。昨春、ヒジを痛める前までは、右打者の外角低目にタテと斜めの角度を合成したすばらしい快速球があった。忘れられない。
夏の終わり方があまりよくなかった。本領をほとんど発揮できぬままに、試合前半で降板。タイミングとして、「さあプロだ!」とはいかない。「進学」なら引く手あまたと聞く。心機一転、自分が快適に、存分に腕を振れるフォームを探してみるのも手だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


かわしま りゅうし 投手
川島 隆志
179cm 73kg/左投左打
宮崎一高()
球速帯 137~143キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/チェンジアップ
コントロール率 56%
宮崎の左腕なら都城東・武藤敦貴とにらんでいたら、彼の故障もあったが、昨秋からこちらの左腕がぐんぐん頭角を現わし、この春にはかなり水を空けてしまった。この時期130キロ後半の速球とスライダーを両サイドにきめられては、高校生は攻略困難。特に左打者にとっては、スライダーは全く球筋を終えず、リリースの見にくさが大きな武器に。今夏にかけては、球速を140キロ前半に伸ばし、全国有数の総合力を持った明石商(兵庫)を練習試合で完封して9奪三振。右肩上がりの成長遂げる。
今夏予選では、宮崎工戦で大会タイ記録の17奪三振。そのうち、おそらく15三振は、140キロ前半のクロスファイアーで奪っている。左腕にしか投げられないクロスファイアーのきびしい球筋。反面、スライダーの制球がバラつく。この秋に改善を。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


たまむら しょうご 投手
玉村 昇悟
178cm 77kg/右投左打
丹生高()
球速帯 137~147キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/チェンジ アップ
コントロール率 57%
無名の公立校の投手なのに、強豪相手にも物怖じせずに実力の大部分を発揮できる。何よりこれが一番の長所だ。今夏予選の決勝戦、すでに全国の強豪にのし上がった敦賀気比を相手に、いつもと変わらぬ穏やかな表情で、いつもの「玉村昇悟」のピッチング。こういうヤツが一番頼りになるのだ。140キロ前後の速球とスライダーを低く、低く集めて、3回の3失点だけに抑えて10奪三振だ。淡々と、粛々と…雄たけび上げることもなく、終わってみれば、福井県大会新記録の52三振を奪ってみせた。
柔軟性、バランス感覚、低目を出し入れできる制球力に、常時140キロ前後の速球。左腕特有のぎこちなさも全く心配なく、プロの食事とトレーニングを注入すれば、すくすく育っていきそうなイメージ。すごくなくても、欠点がないのが一番の魅力だ。この先の伸びしろにも期待。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


にしだて こうた 投手
西舘 昴汰
187cm 83kg/右投右打
筑陽学園高()
球速帯 136~142キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/チェンジアップ
コントロール率 66%
ダイナミックなフォームでも、ちょっとセーブしながら投げている「7、8分感」がいい。この夏は、苦しいはずの炎天の準決勝でも、実に涼しい顔で、いい表情で投げていた。高校生で「安心して見ていられる」投手なんて、そうはいない。左打者の足元にきまるカット気味のスライダーは、変化点の近さも鋭さも文句なし一級品。これだけのサイズがあって、両サイド投げ分ける技術と感覚があるのはありがたい。ピンチを作っても、自分の<世界>を崩さず辛抱して切り抜ける芯の強さも。
長い手足で敏捷な牽制がお見事。デカいのに細かいことができて、ピッチャー返しに反応する準備も、ちゃんとできている。これ、伸びる条件の絶対条件の1つ。セフティの処理ほか守備力抜群だったアドゥワ(広島)が好例。いくらでも成長できそうだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


いのうえ はると 投手
井上 温大
174cm 68kg/左投左打
前橋商高()
球速帯 136~142キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ
コントロール率 63%
小柄な体躯でも、四肢を伸びやかに、しなやかに使いこなして投げる姿が誰かに似ている…と思って、思い出したのが名古屋電気(現・愛工大名電)・工藤公康投手(ソフトバンク監督)だった。きれいなラインを作って右打者の懐に食い込むクロスファイアーは、左腕にしか投げられない<魔球>だ。工藤投手はカーブが真骨頂だったが、井上はスライダーが光る。タテにキュッと落ちるのと、横に滑る体感の2種類。これでカウントがとれるから、打者がスライダーを意識してくれて、速球を打ち損じている。
大人しそうに見える童顔だが、内面はかなりトンがった<牙>を持っているはず。打たれた相手には、次の打席の「復讐心」がすごい。まず、近い所をズバッと突く。童顔は得。やられても、あまり憎しみを感じない。そんな<追い風>も受けている。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


えんどう じょう 投手
遠藤 成
178cm 82kg/右投左打
東海大相模高()
球速帯 137~147キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/スプリット
コントロール率 57%
「投手」なのか、「遊撃手」なのか…よりも、この選手が野球に注ぐなりふり構わぬ意欲とエネルギーを称賛したい。この夏、甲子園の「遠藤」に驚いた。炎熱の試合終盤、先発で投げ続ける彼がショート正面のゴロで、血相変えて一塁目がけて突っ走る。「投手」だったら、少しは力を抜いても…の場面なのに、「投手・遠藤成」は自分に容赦しない。そのバイタリティがすばらしい。その突進力さえあれば、投手だろうが遊撃手だろうが、プロの激烈なサバイバルを勝ち抜いて、頭角を現していけるはずだ。
「投手」なのか、「遊撃手」なのか…遊撃手としての将来性に期待したい。外野手でもよい、バッティングと足を生かす手だ。左中間に距離を出せて、球足の衰えない打球を弾き返せるバッティングは、引き腕(右腕)が使えるから。強打は全国有数だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


おくがわ やすのぶ 投手
奥川 恭伸
183cm 84kg/右投右打
金沢星稜高()
球速帯 138~150キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/ カーブ/ツーシーム/チェンジアップ/フォーク
コントロール率 68%
高校生に最も縁遠い「コンスタント」という「超能力」をすでに備えている。いつも145キロ前後のスピードを発揮しながら、日替りチョイスの変化球をいつも3種から4種用意して、どんな大舞台でも、登板すれば常に<想定内>で試合を収めてみせる。「ミスターコンスタント」…高校生には似つかわない称号だろうが、こんなに似合いの称号もない。相手打者の弱点を探れる<目>と、ここだ…と見極めたらとことんつぶしにいくしたたかな<ハート>。燃え過ぎず、しかし体のすみずみまでパワーをみなぎらせ、そのバランスがなんともにくい。
今の実力なら、高校生ルーキーでもすぐ一軍に呼びたくなるだろう。それぐらいの<覚悟>でプロに進もう。1年間全力投球しても壊れない体を、できるだけこの秋に作っておくことだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


ささき ろうき 投手
佐々木 朗希
189cm 81kg/右投右打
大船渡高()
球速帯 142~155キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ/フォーク
コントロール率 56%
驚いたのは、この春の「163キロ」じゃない。去年の夏のほうだ。岩手に余裕で150キロを投げる右腕がいると聞いて、ホントかな…と思いながら足を運んだ岩手県予選。初回から立て続けに150キロ台がホントに並んで、しかも本気で投げている様子もなくて、これが2年生の夏のことだ。だから163キロが出た時も、「ひと冬越してれば、それぐらい出るだろう…」。その時も全力投球には見えなかったから、むしろ、ちょっと本気で投げたら<170キロ>ぐらい簡単に出してしまいそうで怖かった。
ここに来て血豆がどうした…とか騒いでいるが、プロで投げるなら「先発」だろうから、1週間に一度の野球だったら指先の<体調>の合わせ様もあるはずだ。最初の1年は姿を消して体の芯の強さを作ろう。2年目からはすぐ15勝を期待できる。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


すずき ひろと 投手
鈴木 寛人
186cm 76kg/ 右投右打
霞ヶ浦高(茨城)
球速帯 140~147km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/フォーク/カーブ
コントロール率 53%
真っ向から投げ下ろす…の表現がそのままピッタリの真性オーバーハンドの角度がまずすばらしい。指にしっかりかかった時の145キロ前後は、スピード以上に<強さ>抜群で少々甘く入っても、高校生のスイングは粉砕してきた。勝負球のタテのスライダーは、落差と変化の鋭さを併せ持って<魔球>に近く、決め手を持っている投手は上のレベルで強い。しかし、いくら球威があっても、打者のリズムに合わせて投げてしまっては宝の持ち腐れ。打者が嫌がることをするのも投手の<仕事>だ。
実戦のマウンドでグラッときやすいのは、「成功体験」が少ないからではないか。身体能力は抜群でも、粗けずりな本格派だから、制球で自滅もあったはずだ。「ピッチング」の多様性を勉強しながら、時間をかけて社会人で成功体験を積むのも悪くない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


みやぎ ひろや 投手
宮城 大弥
172cm 75kg/左投左打
興南高(沖縄)
球速帯 136~145㎞キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/チェンジアップ/フォーク
コントロール率 61%
3年夏のピッチングをぜひ「甲子園」で見たかった1人だ。その分はU18で十分見せてもらった。2足分ほどインステップするのに、難なく体の角度を切り替えて、右打者のふところにクロスファイアーをズバッときめてくる柔軟性とボディバランスはなんだ!普通なら欠点になるインステップを、逆に味方につけて<武器>にしている。しかも勝負球では145キロ前後をマーク。小柄に見えるが、投げるバワーと技術を満載。スライダー、カーブをカウント球にも勝負球にも使えて、フォークは正念場の切り札に。隙を見せない左腕だ。
追い込んでから決めにいくボールが一級品。だからプロでも働ける。上背はなくても、球筋に彼独特の<角度>があって打ちにくい。万が一のときは「バットマン」だ。内外角にそれぞれのスイング軌道を持ち、自然に振り出してインパクトで痛烈に叩ける技術はすばらしい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


にし じゅんや 投手
西 純矢
184cm 85kg/右投右打
創志学園(岡山)
球速帯 142~150キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/スプリット/カーブ
コントロール率 55%
「創志の西」といえば、140キロ後半の快速球がまず頭に浮かび、それを続けて追い込んで、ボールゾーンに落とすタテのスライダーで三振を奪うパターンだと思っていたら、「U18」の投球を見て驚いた。スプリットをチェンジアップ効果狙いで使い、勝負球に快速球。ピッチングの組み立てにバリエーションが増えている。変化球のコントロールも上がっているし、前ほどは無駄に力まなくなった。この1年、悔しい思いを経験しながら、新しい「西純矢」を構築してきた努力がはっきりとピッチングから見てとれる。
先発で長いイニングよりも、「後ろ」のほうが合っているだろう。変化球でカウントを作れるようになったのが<強み>だ。それでも、「1イニング」では勿体ない。試合終盤の2イニング、3イニングを託せる強力なストッパーになれる心身の強靭さを感じる。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


ほった けんしん 投手
堀田 賢慎
185cm 81kg/右投右打
青森山田高()
球速帯 137~147km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ/スプリット/ツーシーム
コントロール率 64%
両肩のラインの内側でテークバックがなされ、腕が巻き上がり、振り下ろされる。決して力を入れて投げようとし過ぎない。踏み込んだ左足の位置が、いつも変わらない。力み過ぎないから頭が動かずに、投げるボールの軌道が安定している。上体がしっかり半身を作り、左腰から踏み込んだ時の速球の角度、指のかかりはすばらしい。「140キロ」でも5キロ増し、10キロ増しの「体感スピード」。ホームベース上の強さはなんだ。こういう投手が、全国にもっとたくさん出てこないかな…と思う。
上のレベルに行っても、フォームはほとんど直す所がないだろう。周囲から「頑固」と言われるほどの気持ちの強さ。ターゲットを真っすぐに直視できるいい目をして、東北育ちのまったり感はない。「ジャパン」じゃないのが不思議なほどだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


こばやし じゅい 投手
小林 珠維
183cm 86kg/右投右打
東海大札幌高()
球速帯 138~150km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ
コントロール率 46%
「アスリート」しての身体能力は間違いなく一級品。50m6秒そこそこの俊足に、ライナー軌道で70m前後投げられる強靭な地肩。タイミングが合えば140mは飛ばせる瞬発力も兼備して、プロ野球選手としての条件は揃っている。ストライク、ボールがはっきりしている<幼さ>は、結局、最後の夏まで顔をのぞかせていたが、バランスのとれた時の速球のパワーは、捕手の<捕球音>が教えてくれる。長打力は目を見張るバッティングも、芯のあたりで丁寧に捉える正確さについては、まだ幼い。
この4月、「U18」の候補合宿に参加したあとの<ブランク>。伸びる時期の春から夏に、もう一つ不完全燃焼があったのが残念。野球には身体能力も必要だが、同程度かそれ以上に「技術」が必要。大学か社会人で、もうひと勉強してからでも遅くない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


およかわ まさき 投手
及川 雅貴
183cm 74kg/左投左打
横浜高()
球速帯 137~145km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ
コントロール率 55%
「これからの投手」が横浜高のエースという看板を背負って、たいへんな高校野球生活だったと思う。本格派として育ちたいからスピードも欲しいが、試合で投げれば勝たねばならない。揺れまくった2年間だったはずだ。屈辱のセンバツからこの夏にかけて、すごく投手らしくなった。生きた球質と狙ったポイントに投げられる制球力があれば、サウスポーは145キロ前後で十分だ。もともと、スライダーの鋭い変化はプロで通用するレベル。素質なら、やはり今年の高校生左腕№1は間違いなし。
まずは、じっくり筋肉量を増やしていこう。比例して、勝手にスピードは上がってくる。本人、とても気にしていた「メンタル」だって、何も心配することはない。「横浜高」でレギュラー張っているほどの選手が、メンタル弱いわけがないだろう。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


まえ ゆいと 投手
前 佑囲斗
182cm 88kg/右投右打
津田学園高()
球速帯 134~148km けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/カーブ/ツーシーム/チェンジアップ
コントロール率 63%
この1年間で、急激にピッチングレベルを上げてきた。何かをつかんだように見える。速球の球速帯が広い。速球にも意識して球速差をつけているあたり、投手の仕事は打者のタイミングを外すこと。そこに行き着いたのかも。スピンの効いた速球は140キロに届かなくても空振りの三振を奪い、カットボール、ツーシーム、チェンジアップ…<速球系>の変化球で、打者に気づかれないようにバットの芯を外す。マウンド上の姿は地味でも、相手に回すとこんなに手ごわいヤツもいない。
スピードガンと勝負するような<愚>も犯さず、それでも、ピッチングにメリハリ、強弱をつけられる技術。どこで覚えてきたのか。力まなくても145キロ前後をマークできるパワーも兼備。3年目から一軍ローテーションで投げられる投手と見る。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部



かねこ りく 外野手
金子 莉久
165cm 70kg/右投左打
白鴎大(国学院栃木高)
50mタイム 5.7秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
日本一速いかもしれないですよ…監督のそんなつぶやきが実物を見ると余計に実感できる。外野を破ったと思った瞬間からの加速のすさまじさ。慣れてない人では目で追うのはきびしい。チャンスを広げたい場面では、叩きつけるように高いバウンドのゴロでまんまと内野安打。ちょっと甘く入ると、センター頭上をあっという間に越せる瞬発力も隠し持ち、小柄でもプレーに非力感全くなし。敏捷なスピード感で左中間、右中間突破を許さない守備力も,外野が深い球場が増えた今のプロにはぴったり。
小柄なことを<ハンデ>と思っていない感じの、いい意味の「開き直り」が頼もしい。人をうらやむより、自分の持っている才能で思い切り暴れればそれでよし!吹っきれた感じのなりふり構わぬ走・攻・守に今季新人王濃厚の近本光司(阪神)が重なる。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


えびな たつお 三塁手
蝦名 達夫
185cm 88kg/右投右打
青森大(青森商高)
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
北東北リーグを代表する右のスラッガー。体の開きが解消傾向にあった「春」は3ホーマー。この夏のオープン戦はセンターから右中間方向への打球が飛距離も伸びて10試合で6ホーマー。4弾をセンターから右方向へ放り込んだ。真ん中低めあたりがすでに<ツボ>になっていて、レベルが上がるほどストライクゾーンの下がる「野球」ではローボールヒッターが有利だ。いちばん自信があるのは足だという。特に長打の時のロングラン。さらに、70m前後ライナー性の軌道が作れる強肩も兼備。
中央球界には全く無名の存在でも、高校時から東北有数の大型三塁手として秘かに注目していた。身体能力に不足・不安はまったくなし。これだけの素質があるのだから、もっと前に出て来い!「秘めた闘志」など、プロでは誰も信用しない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


なかむら けんと 外野手
中村 健人
182cm 80kg/右投右打
慶應義塾大(中京大中京高)
50mタイム 5.9秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
地肩の強さと強靭なバネを生かした猛烈スローイングは、昨年の辰己涼介(立命館大→東北楽天)に迫る強さとスピード感だ。ここ一番で力でねじ伏せてやろう!的な強引さがなくなれば、今の「猛肩」はさらに威力を発揮できる。死球直後のストライクを取りにくるボールを、狙いすましてバックスクリーンに放り込む<怖さ>と、ホームランの次の打席で気負いが過ぎて外のボールを引っかけてしまう<幼さ>が同居しているが、圧倒的な身体能力があるから、これも「伸びしろ」に見える。
スイングスピードに関しては、間違いなくすでにプロレベル。東京六大学のエース格がビビッた腕の振りになるほどの猛烈スイングだ。あとは、「インコースの140キロ台」を弾き返せるバットコントロールを覚えることだ。プロで働けるかどうかの分岐点に。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


やなぎまち たつる 外野手
柳町 達
180cm 74kg/右投左打
慶應義塾大(慶應義塾高)
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
こんなに正確なスローイング能力を持つ選手は、アマチュア野球で彼だけと見る。80m前後のロングキャッチボールでも、ほぼ相手選手の顔から胸に集中。三塁、本塁返球の距離感も抜群で、捕った相手がタッチプレーのしやすいワンバウンドをきちんと投げられる。<地肩>の強い選手はいくらでもいるが、この選手のような丁寧さと<意味>を持ったスローイングのできる選手はなかなかいない。身軽で軽快なフットワークで、塁間の速い走りはアベレージの心強い味方にもなってくれる。
スリムな体型だから非力に見えるが、よくよく見ると全く心配なし。フルスイングしても頭が全く動かないボディーバランスのすばらしさと、タイミングを外されて打ち損じた打球が外野で伸びているあたり、インパクトの瞬間のヘッドスピードは一級品だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


うぐさ こうき 外野手
宇草 孔貴
185cm 83kg/右投左打
法政大(常総学院高)
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
野球センスはずば抜けているのに、線が細くて打ち負けていた高校時から、別人のようにバッティングのたくましさが増している。140キロ台の速球を引っぱって右中間突破のライナーの長打が打てるようになったし、もっと驚いたのは、リーグ戦でレフトスタンドに叩き込んだ一弾。流してフラフラッと入った打球じゃない。伸びたまんま、スタンド中段に突き刺さった。全身のバネでぐいぐい体を運ぶベースランニングには、スリーベースメーカーの資質も。めざせ、秋山翔吾(西武)!
飛び抜けた強肩じゃないぶん、指にかかった痛烈なスナップスローを覚えたい。高校時は二塁手、三塁手…コンパクトなスナップスローで走者の進塁意欲を削ぐことはできるはず。このサイズで盗塁のスタートに躊躇(要ルビ)がないのはポイントが高い。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


うみの たかし 捕手
海野 隆司
173cm 77kg/右投右打
東海大(関西高)
50mタイム 6.4秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
ディフェンス能力は、プロ球界を代表する捕手にのし上がれる資質を持つ。ソフトバンク・甲斐拓也捕手をしのぐのではないか…と思われる鉄砲肩は、強く投げようとし過ぎないのがさらによい。二塁ベース上にポンと置ける技術と、スローイング動作に入ってから<体内時計>がカウントを開始。どれぐらいのアクションスピードで投げたら刺せるのか…頃合いの力感で投げてピシャリと刺す。両サイドの際どいボールを、上体を動かさずに捕球し、<ストライク>に見せる技術はすでにプロレベルだ。
自らの野球に自信が持てるようになったのか、今春のリーグ戦から打撃急上昇。打てるボールを探してフルスイングできるようになって、驚くような飛距離の本塁打も。「打てる強肩捕手」にレベルアップして、堂々「1位候補」に名乗りを上げていた。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


さとう としや 捕手
佐藤 都志也
181cm 83kg/右投左打
東洋大(聖光学院高)
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
昨年の春・秋2季はとても光って見えていた。上茶谷(現DeNA)、甲斐野(ソフトバンク)、梅津(中日)…1年上の剛腕たちとバッテリーを組み、その強烈なショートバウンドを懸命に止めながら、ライナー性長打力を発揮。時には意外な快足で盗塁を奪ったり、機動力を伴った捕手として、稀少価値が輝いて見えた。その<輝き>が今年は今一つ弱い。4年生特有の「やれやれ感」なのか…正直、もうワンパンチ欲しい。時折見せる内角低めに鮮やかなさばきなど、プロ顔負けの技術なのだが…。
もともとは一塁手、三塁手、外野もこなし、ポジション的な可能性の幅広さは、やはりこの選手のアドバンテージだろう。しかし、最大のアドバンテージは「捕手」も器用にこなせることだ。元内野手の名残りの「立ち投げ」は今のうちに直したい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


ぐんじ ゆうや 捕手
郡司 裕也
180cm 80kg/右投右打
慶應義塾大(仙台育英高)
50mタイム 6.2秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
この捕手が「レギュラー・マスク」になってからの4シーズン、すべてリーグ戦でAクラスが続く。「勝てる投手」になりたい…多くの高校生投手が言うが、「勝てる捕手」というのもそれ以上になかなかいないだろう。チェンジアップが切り札の投手なのに、スライダーとカットボールだけで攻めてみたり、速球で追い込んでカットで引っかけさせたり、チェンジアップ、チェンジアップ…と意識させて、チェンジアップを使わずに打ち取るしたたかさ。配球の面白さを体感している捕手に見える。
昨年から4番を務めてきたが、バッティングに関してはかなりフンドシを締め直す必要ありだ。場面に即して進塁打やタイムリーを打てる勝負強さは認められるが、<仕掛け>の遅さが気になる。勝負球がえげつないプロではマイナスに作用することも。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


はしもと ゆうき 投手
橋本 侑樹
180cm 70kg/左投左打
大阪商業大(大垣日大高)
球速帯 137~142キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カットボール
コントロール率 61%
左打者が球筋を全く見えていない。頭のあたりのボールを空振りして、外のクロスファイアーには手が出ない。この左腕の投球を見ていると、クロスファイアーも<変化球>だな…と認識を新たにする。ならば右打者は打てるのかというと、こっちも見えていない。ふた回り目の打席でも、懐を突かれる速球をびっくりして振っている。テークバックに時間をかけて、半身(はんみ)の姿勢で踏み込んで、体の左右を一気にきり返す。ボールを見にくくするメカニズムがフォームに刷り込まれている。
自分のペースで気分よく投げている間は、ストレート一本でも打たれないのでは…そんな勢いだが、走者を許してからちょいグラッとくるあたりが、これから<勉強>の部分だろう。それには牽制だ。打者に集中するために、首を使った牽制を覚えたい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


おおにし ひろき 投手
大西 広樹
176cm 80kg/右投右打
大阪商業大(大阪商大高)
球速帯 138~144キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/フォーク/チェンジアップ
コントロール率 67%
初球で右打者の外角低目にいきなりベストボールをきめられて、左打者の外にも、速球と同じ軌道からチェンジアップを沈められる。右打者、左打者の外角に確かな球道の<ライン>を持っており、勝負球に使っているフォークのタテの鋭い変化も一級品だ。狙ったポイントに投げられる精度と投球テクニックは、今年の学生球界ではトップクラス。空振りの三振を奪えるほどの速球のエネルギーはないが、打者の心理をさぐりながら、巧みにタイミングを外して打ち損じを重ねさせる巧さで勝負。
<伸びしろ>より、今の力量で勝負せざるを得ない辛さはあるが、とにかく実戦力がすばらしい。打球を追いかけた2人の野手がガラ空きにした二塁ベースにサッとカバーに突っ走る反応など、出来ることじゃない。プロでも「仕事」のできる投手だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


もりした まさと 投手
森下 暢仁
180cm 75kg/右投右打
明治大(大分商高)
球速帯 136~148キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/ チェンジアップ/カーブ/フォーク
コントロール率 64%
すでにもう立派な「プロ野球選手」になっている。この冬を境にしたこの投手の変身ぶりは、文字通り<劇的>なものだった。入学した当時から、素質は誰もが認めていた。だから、たまには手をつけられないような快投もあったが、勝手に力み返って序盤で自滅…アテにならない投手だったのが、昨秋が終わって主将就任を期に「人が変わった」という。彼が今、投げているのはボールなんかじゃない。神宮のマウンドから森下暢仁が投げ込んでいるのは、それは「エースの責任」である。
勝負球の右打者外角低め速球がシュート回転しなくなって、投球にスキがなくなった。タテのカーブは横ブレしなくなり、カットボールとフォークの制球も安定。変化球同士の緩急で追い込めるのが「使える決め手」だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


いせ ひろむ 投手
伊勢 大夢
181cm 87kg/右投右打
明治大(九州学院高)
球速帯 142~149キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/シンカー/ツーシーム
コントロール率 53%
スピードガンをねじ伏せるという意味での馬力、エンジンの大きさでは、エース・森下暢仁以上だと見ていた。いつまでスピードガンと<勝負>しているのかな…と思っていたら、この秋になって、少しずつ打者と勝負してアウトを重ねることに興味を持ち始めたように見える。クイックリズムのサイドハンドなら、力んで投げる150キロなんていらない。ただでさえ、球道が見にくく、ボールは勝手に動くのだ。制御されている140キロ前半のほうがずっと打ちにくい…ことに早く気づいてほしい。
今、空振りを奪っているシンカー。これを高低に出し入れできるようになったら、巨人のエース当時の斉藤雅樹投手に<1歩>近づける。あとはフッと抜いたようなスライダーだ。猛烈速球とシンカーがさらに生きる。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


よしだ だいき 投手
吉田 大喜
175cm 77kg/右投右打
日本体育大(大冠高)
球速帯 137~147キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/カーブ/スプリット
コントロール率 64%
大阪府下屈指の右腕としてビュンビュン投げていた頃は、もっと力任せの強引な投球だったが、大学で常勝チームを背負って投げ始めてからは、いち早く余計な力みを排除し、ちょうど頃合いの<出力>で腕を振って、生きたボールを投げるようになった。近くで見ていて、いいボールだなぁ…と思わずつぶやいてしまうのは、本当に「生きた速球」だから。低めに唸ってくる速球にはなかなか出会えない。スプリットも打者に気づかれないようにスッと沈んで、タイミングを外そうとする意識も旺盛だ。
先発して試合前半の投球は、そのままプロでも通用する。あとは、持久力がどこまでアップできるか。昨年のエース・松本航の様子はわかっているはず。1試合投げきる体調管理と、1シーズン投げきる体調管理も大切に。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


つもり ゆうき 投手
津森 宥紀
177cm 78kg/右投右打
東北福祉大(和歌山東高)
球速帯 138~147キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/ シンカー
コントロール率 53%
全国制覇した昨年の大学選手権のすごい投球を知っているから、今季の「投げてみなければ…」のあやふやさが信じにくい。右人差し指の爪を欠いていたのに、145キロ前後の猛烈な速球一本で抑え込んでしまった選手権・決勝戦。そういう絶体絶命の土壇場みたいな状況でないと実力を出せないのなら、逆にプロ向きという<推理>も立つが。リーグ戦ぐらいの刺激では物足りないのか…なんともミステリアスな存在に。サイドからホップして見える速球とスライダーに、キュッと沈むボールを。
リーグ戦にテンションが上がりきれていないとは思わない。むしろ、気合いとか気迫の意味を、力みや気負いと混同しているように見えるのだが…。持っているパワーの使い方を教えてくれる「カウンセラー」のような存在が必要なのかもしれない。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


すぎやま こうき 投手
杉山 晃基
180cm 78kg/右投右打
創価大(盛岡大附)
球速帯 140~148キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ/フォーク/ツーシーム
コントロール率 56%
小孫竜二、望月大希…同じようにプロを目指す投手たちと腕を磨き合ってきた4年間。その環境がよかったと思う。試合で相手と勝負する前に、チームの中に<敵>がいるのが当たり前。そこでの4年間で培ったしたたかさが、実戦の投球に表れている。150キロ台をマークしているが、先発のマウンドではペース配分を考えながら、140キロ前半がアベレージ。腕が長く腕の振りの運動量は大。短いイニングをビュンビュンいかせたら、速球とフォークで抑え役がやれるのでは…
リーグ戦の投球より、「全国」のマウンドでの投げっぷりのほうが落ち着いて見えるのは気のせいか。いるべくしてそこにいる…そんな印象があるのは、さらに「プロ」のマウンドのほうがハマるということか。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部



おおたりゅう 投手
太田龍
190cm 93kg/右投右打
JR東日本 / 東京(れいめい高)
球速帯 141~147キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/ツーシーム/チェンジアップ/フォーク
コントロール率 60%
鹿児島の無名の高校生が、わずか3年目で社会人野球の最高峰の「都市対抗」でチームを背負って投げられる。その成長度と成長させた環境がすごい。都市対抗の喚声と緊張感の中で、顔色一つ変えずに社会人の第一線を相手に試合を作れる安定感は、とても「21歳」じゃない。いいフォームになった。真上から腕を振り下ろして、過剰な力みがないから、しっかり指にかかって高く抜ける幼いボールがない。走者を背負っても145キロ前後のスピードが維持できる体力も加わって、素質開花目前と見る。
変化球に「実戦力」が加わった。だから、使える。右打者の足元にすべり落ちるツーシームは長打にならないボール。フォークは打ちたくなる高さから落として、どの高さからどこへ落とせば、どういう打球になる…その意味を知っている。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


まえの みきひろ 外野手
前野 幹博
185cm 85kg/右投左打
ヤマハ / 静岡(PL学園高)
50mタイム 6.0秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
永遠の名門・PL学園から入社して6年、よく辛抱して地道に実力を伸ばした。<6年間>といえば、小学1年生の子供が6年生のなまいき盛りに成長するほどの時間。この選手も6年かけて、穴の少ない怖いロングヒッターに成長した。真ん中低めがツボだ。スイング軌道にハマった時の雄大な放物線は、うわーっと思っているうちに中空に消える。タイムリーが欲しい場面では、丁寧に捉えてセンター返し。飛ばしたい欲望にあおられることなく、剛・柔使い分けたバッティングを実践できる。
ライトを守って、タッチアップの走者を三塁、本塁で刺せる強肩を誇る。50mを6秒そこそこで走る脚もあり、引き合いに出すには偉大過ぎるが、タイプとしては「阪神・福留孝介」だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


さとう なおき 外野手
佐藤 直樹
177cm 78kg/右投右打
JR西日本 / 広島(報徳学園高)
50mタイム 5.8秒
スローイング 走塁力
守備力 勝負度胸
パワー 実践力
小園海斗(遊撃手・現広島)の2年上の報徳学園に、こんなエネルギッシュな外野手がいたとは。ポジションは違うが、よく似た雰囲気の新鋭外野手だ。まず、バッティングのパンチ力。思いきりのいいスイングとそのスイングスピード。弾丸ライナーで飛んでいく軌道と、外野を抜けて突っ走っていく行き足の鋭さ。アッというまに三塁を奪ってしまうスピード感…あれあれ、小園海斗そのものじゃないか。粗けずりな面を多く残すが、高校時の鈴木誠也(広島)のような<勢い>を感じるプレースタイルだ。
いつでもカットできる高さで70m前後投げられるスローイング能力は、プロでもトップクラス。去年の辰己涼平(立命館大→楽天)級の「鉄砲肩」だ。あとは、バッティング面でタイミングを合わせようとする意識。明確なトップを作りたい。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


こんどう たくや 投手
近藤 卓也
187cm 85kg/右投右打
ヤマハ / 静岡(青山学院大)
球速帯 141~148キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ /カットボール/チェンジアップ/フォーク
コントロール率 62%
青山学院大では、東芝のドラフト候補・岡野祐一郎と同期。投手陣の二本柱として奮戦したが、二部転落も経験して社会人入りし、特にこの1年での成長は目を見張る。もともと、長身から投げ下ろす速球は、アベレージで145キロ前後。好調時は150キロに届くほどのパワーがあったが、今季はそれがストライクゾーンで制御できるようになり、持ち味の、打者のアゴを上げてしまうほどの<角度>が生きてきた。都市対抗では、先発で試合を作れる自在性も証明。社会人3年目にプロ入りの勝負をかける。
タテのスライダーとフォークの落差、角度は一級品。これもストライクがとれるようになって、明確な<武器>になった。まだそんなに酷使されていない<肩>も魅力。「第2の薮田和樹(広島)」になれる可能性を秘める
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


かわの りゅうせい 投手
河野 竜生
174cm 81kg/左投左打
JFE西日本 / 広島(鳴門高)
球速帯 136~145キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/ チェンジアップ/カーブ/フォーク
コントロール率 63%
私の中に、1つの「絶対共通項」がある。130キロ後半の速球があって、いつでもストライクがとれる変化球が2種類持っているサウスポーは、80%の確率でプロで働ける。この<法則>にピタリはまり、スピードで5キロ以上おつりが来るサウスポーがこの河野だ。スライダーをホームベースの三塁側に、チェンジアップを一塁側に、放射状の球筋があるのが強い。社会人3年目と若くても、一線級の強打者相手にひるむことなく勝負を挑む。マウンド度胸も頼もしい。
意外と知られていないのが、「サウスポーは左打者が苦手」。当てそうで怖い…という話をよく聞く。河野にはそれがない。左打者の内角を突ける技術を身に付けつつあり、ふところをドーンと突こうとする意欲があるのが、何より高ポイントだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


はまや しょうた 投手
浜屋 将太
173cm 81kg/左投左打
三菱日立パワーシステムズ / 東京(樟南高)
球速帯 138~145キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カーブ/フォーク/チェンジアップ
コントロール率 55%
樟南高(鹿児島)当時からやたら三振を奪うサウスポーだった。特に、斜めとタテの角度を合成したようなスライダーは、高校生には<魔球>。ミートポイントを作れずに、空振りの三振を次々と奪われて、練習試合、公式戦問わず「2ケタ奪三振」は当たり前。完投して20三振近い快投も再三やってのけていた。社会人で3年間、薄くひ弱に見えた体格が別人のように変わって、高校時にはなかった速球のパワーが新たな武器に。スライダー、チェンジアップだけでなく、速球でも奪三振が可能に。
もともと、しなやかな腕の振りと左腕には珍しいほどのボディーバランスが<財産>だったのが、柔軟性をキープしたままパワーアップできている。強敵相手にややひるむような面はあるが、<成功体験>を重ねることで解消できる。左腕の成長株だ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


たての かずあき 投手
立野 和明
183cm 80kg/右投右打
東海理化 / 愛知(中部大一高)
球速帯 141~148キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ/スプリット
コントロール率 62%
社会人球界屈指の強打線相手に、138キロの速球でどん詰まり、145キロで空振りの三振。間違いなく「体感スピード」が優れている証拠。実際にピッチングを受けてみてわかった。ホームベース上で、ボールの回転がほどけない。逆に、ホームベース上でボールが加速するように、ミットに突き刺さる球質。時計の文字盤でいうと「11時」ぐらいの角度から、きれいに投げ下ろされる腕の振りは、肩甲骨の可動域の広さの証明。今は無名でも、3年後、5年後…ビッグネームになっている投手だ。
3月のスポニチ大会のピッチングが続いていたら、「1位入札」でもおかしくなかった。注目を浴びて、若いから力んだ、気負った。シュート回転して中に入った速球でボコボコにされて、いい<勉強>をした。学習効果が夏以降の成長につながった。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


おかの ゆういちろう 投手
岡野 祐一郎
180cm 84kg/右投右打
東芝 / 神奈川(青山学院大)
球速帯 138~146キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/チェンジアップ/カーブ/フォーク/ツーシーム
コントロール率 68%
「ハの字の軌道」を意識して投げているという。 「ハの字」、つまり、内角球は打者に近づくほど体の近くに、外角球は打者から徐々に離れていく。そういう軌道で投げているから、大ケガがない。特に、右打者が内角速球を跳びのいてストライクになった時。フォークも打者の足元にきまるようになって、困った時に投げるボールができた。この夏の都市対抗。追い込んで、セットから突如クイックでズバッと速球で内を突き、内野フライでピンチを切り抜けた。「大人の投球」のできる数少ない投手だ。
昨年は無念の指命漏れ。座右の銘の「七転び八起き」そのままに気持ちを立て直し、9回まで140キロ後半を維持できる速球を磨き、打者を圧倒できるパワーも獲得。投手としての<技術>は文句なし。あとは、発揮するチャンスを手にするだけだ。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部


みやがわ てつ 投手
宮川 哲
177cm 82kg/右投右打
東芝 / 神奈川(上武大)
球速帯 142~148キロ けん制・
守備
緩 急 実践力
球 種 スライダー/カットボール/カーブ/フォーク
コントロール率 %
本気で「ピッチング」と取り組むようになったのが、上武大に入学してからだから、今年で<実働6年目>の投手。キャリアが浅いぶん、行き届かない面はあるが、目一杯のパワーで投げ込んでくる速球とカットボールの破壊力は、社会人球界でも屈指だ。速球でスイングを圧倒してカウントを追い込み、カットボールとフォークで打ち取るパターンに持ち込めた時は、攻略困難な投手。反面、ストライクをとるのがやっとの日は、加減して投げるカウント球を痛打されることも。社会人だが、「未完の大器」!
1年先輩の岡野投手が、ドラフト的には「最後の勝負」の年になりそう。投の柱をいっぺんに2本失えば、チームの危機だ。今季上り調子だった「東芝」を久しぶりの頂上にのし上げて、来年、堂々の1位でプロ入りを。勉強することは山ほどある。
文:安倍昌彦、写真提供:ホームラン編集部



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