目指せ、日本代表!国際試合を戦う選手たちから得られるものとは
コラム | 2020/7/27 |
7月17日、野球日本代表・稲葉篤紀監督が契約延長の意向を表明し、受諾することとなった。これにより、「侍ジャパン」を率い来年開催が決定している東京五輪を目指し、引き続き指揮官として金メダルへ獲得を目指す。「若い選手、活きのいい選手が出てきてほしい」と、一年後の本番へ向け、更なる新戦力を加えるべく選手たちにメッセージを送っている。
■プロ選手参加となった代表の歴史
国内のプロ野球選手が日本代表として初めて国際試合に出場するようになってからおよそ20年が経つ。1999年、シドニーオリンピック予選を兼ねたアジア選手権に古田敦也、松坂大輔ら当時のトップ選手が招集されたのが始まりだった。その後、2003年からはオールプロによる代表チームが結成されるようになり、指揮を執る監督もプロ球界OBが名を連ねるまでになった。また、五輪だけでなくワールドベースボールクラシック(WBC)、プレミア12などの国際大会も設立され、世界中のプロ選手が代表のユニフォームを纏い「世界一」を目指す戦いを繰り広げることとなる。
東京五輪はコロナ禍により一年の延期となり、代表戦も今年に入ってからは行われていない。それでも日本は昨年のプレミア12で初優勝を果たすなど、「野球大国」とも呼べる実力を備えている。五輪で初となる金メダル獲得の期待は大きい。
■各世代に設定されている代表チーム
「侍ジャパン」と呼ばれるのはプロ選手だけではない。日本代表はアマチュア選手でも結成される機会も多い。社会人や大学生はもちろん、高校・中学・小学生の各世代での代表チームも存在する。
中日ドラゴンズのルーキー、岡野祐一郎投手は昨年のアジア大会などで代表チームの中心選手だった。今季はここまで初勝利も挙げており、先発ローテーションの一角を担っている。また、奥川恭伸や佐々木朗季、石川昂弥など話題の大型高卒新人たちも昨年のU-18ワールドカップに出場し、世界各国の同世代選手としのぎを削っている。
プレーヤーの頂点ともいえる代表チーム入りは、たどり着ける選手こそ一握りなだけにプロ入りと同様「狭き門」と捉えられるかもしれない。だが、世代毎に国を代表して戦う選手たちの一挙手、一投足に接することで、技術面のみならず精神面でも得られることは少なくないはずだ。野球少年・少女たちには一試合でも多く「日本代表」を追い続けて、その戦いぶりを目に焼き付けていってもらいたい。(佐藤文孝)